NHKとのやりとり
現在、NHKとの間に問題はありませんが、過去に以下のようなやり取りがあったので、記録として、掲載しています。これらの記事は『再生』にも掲載されています。
NHK会長の見解を問う
最近(2004年当時)、相次ぐ偏見番組
2004年当時、NHKの「難問解決!ご近所の底力」「くらしの経済」などの番組で、本会の扱いについて不当な点がめだち、会員からもかなりの苦情が本部に寄せられました。会の活動にも大きな影響がありますので理事会で協議し、番組製作担当者だけでなく、NHKとしての回答を求めるため海老沢勝二会長あての質問状を出すことにしました。
当会は2004年から海老沢勝二会長(当時)あてに4回にわたり質問状を出してきました。しかし、一向に誠意ある回答がありませんでした。
このため、橋本元一会長の新体制がスタートしたのを機に改めて6項目にわたる問題点をあげて文書で回答を求める抗議文を出しました。橋本新体制は発足を機に外部の声を大事にすると宣言しており、期待しての抗議文でした。
番組制作をめぐって本会から提出した抗議文に対してNHK側から以下のような誠意ある陳謝文が寄せられました。今後とも本会の運動に対して関心と理解を深めることが表明されており、すでに双方向の勉強会を開くなど、一部は実現しています。
- 1 NHK 海老沢勝二会長への質問状 (2004年6月1日)
2004年5月29日午前10時半から放映された「くらしと経済」の番組内での「散骨」についての抗議 - 2 NHK 海老沢勝二会長への質問状 (2004年10月18日)
10月14日午後9時15分から放映された「難問解決!ご近所の底力・お墓の心配-格安・納得・選択術」をめぐり - 3 NHK 海老沢勝二会長への質問状 (2004年11月9日)
再度の質問 - 4 NHKへの抗議文 ( 2005年2月3日)
NHKの橋本新体制に改めて回答求める - 5 本会の質問状にNHKから陳謝文 ( 2005年3月31日)
2004年6月1日
NHK会長 海老沢勝二様
NPO法人 葬送の自由をすすめる会 会長 安田睦彦
質問状
2004年5月29日午前10時半から放映された「くらしと経済」の番組内での「散骨」について疑問の点が多い。それらについて回答をいただきたい。
本会は15年前から葬送の自由と自然葬に道を拓いてきた、ただ一つの市民運動団体である。われわれはその後発生した散骨ビジネスを否定するものではない。公共放送がそれを紹介するのもよい。ただ、市民運動としてのボランティアによる自然葬の実態を紹介しないということは、散骨ビジネスとの比較を不可能にし、視聴者の選択の自由を奪い、視聴者の利益を損うものである。
自然葬の運動についてまったく取材されていない。取材しないで報道するのがNHKの方針なのか。とくに1999年秋の誤報陳謝文(別紙)で本会の運動の重要性や取材報道の大切さを強調されたにもかかわらず、その後、1回もNHK記者が本会を取材に訪れたことはない。陳謝文以前は会のスタート時から折にふれて取材され、何回も本会の名前を出して放映されてきた。そのころの記者の方とは今も個人的に付き合いがある。
他の市民団体については名前を出して報道されているのに、本会の場合だけなぜ名前が出せないのか。
自然葬をされた理由など、本会の方なら正面を向いて堂々と誇りをもって語られる。
ところが、放映された女性は後ろ向きで顔を見せず、いかにも後ろめたいことであるかのように印象をふりまいている。しかも、話に出た40万円の料金は本会の自然葬としては考えられない費用である。自然葬のイメージをいちじるしく傷つけるものである。 費用など業者よりのデータである。遺骨の粉末化でも本会が紹介する業者は1件1万円。放映された2~3万円より格段に安い。とくに自然葬の費用は、安いケースでは本会の仙台湾での特別合同葬(別紙)は1人4万円である。
コメンテーターは公平な立場の人なのか。業者寄りではないか。 2004年10月18日
NHK会長 海老沢勝二様
NPO法人 葬送の自由をすすめる会 会長 安田 睦彦
質問状
2004年10月14日午後9時15分から放映された「難問解決!ご近所の底力・お墓の心配-格安・納得・選択術」をめぐり、いくつかの疑問点について質問させていただきます。NHKとして正式に回答をお願いします。
1:「遺灰をまいたところに少しの土をかぶせても違法」とあったがその理由は。
2:樹木葬の名前を出しながら自然葬の名前を伏せた理由は。会員の出席者に自然葬といわず散骨というように仕向けた!
自然葬は散骨を含む大きな概念(伝統的葬法の復活と墓園開発による自然破壊をふせぐ葬法という意味で本会が造語したもの)で会員はその哲学に共鳴している。別添のように読売・朝日新聞などははっきり「自然葬」として使っている。
3:樹木葬の寺の名前、主宰者の名前を出しながらNPO法人「葬送の自由をすすめる会」の名前、主宰者をナレーションから削ったのはなぜか。樹木葬で眠った方たちは250人と言いながら本会の実績には触れていない。本会は市民運動として違法といわれてきた自然葬に道を拓いて15年、会員1万1千人を擁し、923回、1584人の方たち(10月18日現在)を海、山に還してきた。
4:格安、納得、選択術といいながら合同墓、樹木葬などの料金は出し、自然葬の費用について触れていないのはなぜか。格安かどうか視聴者はどう判断したらよいか。事実、本会事務局に自然葬は数十万もかかるのか?という問い合わせもあった。
先に6月10日付で海老沢会長あてに「くらしと経済」の番組について出した質問状の趣旨が全く反映されていない。まことに残念である。
2004年11月9日
NHK会長 海老沢勝二様
葬送の自由をすすめる会 会長 安田睦彦
<会長のご見解を問う>
最近NHKの「難問解決!ご近所の底力・お墓の心配―格安・納得・選択術」と「くらしと経済・散骨」をめぐって本会から別紙のような質問状を出し、番組担当者が釈明するというトラブルがありました。釈明文は全く質問にこたえておらず問題解決にはなりません。それはビデオと照らし合わせてごらんいただければ明らかです。
1999年11月11日放映のクローズアップ現代「あなたのお墓はだれが守る?急増!無縁墓」において自然葬が違法行為であるかのような発言があった。その際、石黒エグゼキュティヴ・プロデューサーがNHKを代表して本会事務所に詫びと釈明に来られて、本会への一般の理解を深めるためにこんどの問題を「今後の放送制作に生かしていきたい」と積極的・多角的な取材を約束(別紙)されました。
その後、生活ホットモーニングをはじめ各種の番組で本会への無理解を示すような問題場面がみられましたが、今回の2件で「これは“NHK倫理・行動憲章”の“放送倫理の徹底”にも反するのではないか、これ以上放置するわけにはいかない」という認識が本会理事会で確認されました。
「石黒コメント」の趣旨がその後の「放送制作に生かされていない」ことはまことに残念です。トラブルごとに番組担当者が本会事務所を訪れて釈明文など出されるという悪循環を絶つためにも、しかるべき上部機関あるいは審査機関の公平なご意見を聞きたい。とくに「ご近所の底力」の冒頭近くで“厚生労働省の見解(?)”として「遺骨の上から土をかければ量の多少を問わず“埋蔵”に当たる」という“違法論”を紹介しています。あの場面で、あの“違法論”をNHKが天下に一方的に流した根拠と責任を明らかにしてほしい。
以上一連の問題について海老沢会長のご見解をうかがいたいと存じます。以上
NHKの橋本新体制に改めて回答求める
------------------------------------
2005年2月3日
NHK会長 橋本元一様
葬送の自由をすすめる会 会長 安田睦彦
抗議して回答を求めます
「難問解決!ご近所の底力」や「くらしの経済」などNHKの番組をめぐって、昨年から今年にかけて当会から再三にわたり質問状(別紙4枚)を出してきました。これまでに誠意ある回答がありません。これはトラブル当事者が責任のがれに汲々としているためです。幸い、橋本新体制は視聴者の声にしっかり耳を傾ける、と宣言しています。問題番組の放送録画を質問状と対比して橋本元一会長、永井多恵子副会長、出田幸彦放送総局長らに十分に検討してもらいたい。この際質問状を抗議文に改めるとともに以下の点について2月25日までに文書で回答されるよう求めます。
(1) 話のねつ造に出演者もびっくり。
「難問解決!ご近所の底力」という番組の性格から“葬送”の話にふさわしくない、と番組担当者に申し上げた。しかし、ぜひにもということで紹介したのが宮城県の会員Aさんでした。一戸建ての団地で隣人のご協力を得て、自宅庭で自然葬をされた方で“ご近所の底力”という番組にぴったりのケースと考えたからです。
問題はAさんが自分で墓埋法をひもといて庭でも自然葬ができると思ったという導入部、そんな話はしておらず、墓埋法の話をひき出すためNHKが勝手にデッチ上げたとAさんは怒っています。なぜねつ造したのか。
(2) 公共放送の自己責任はどこに。
そうしたねつ造までして墓埋法を持ち出し、「地面に遺灰をまいた上に少し土をかぶせても違法」と放送しました。少なくとも当会が15年前にスタートしたときから厚生省(現厚労省)は自然葬は墓埋法の対象外と明言してきました。葬送のために遺灰(焼骨)をまく行為が「埋蔵」に当たらないことは同省も当然視してきたことです。最近の樹木葬森林公園をめぐって地方自治体に対し同省が出した墓埋法の適用についての通達でも「地面に穴を掘り、その穴の中に焼骨をまいて上から土などかぶせて焼骨を埋めることは“埋蔵”に当たると解される」といっています。
「地面に遺灰をまいた上に少しでも土をかけたら埋蔵とみなされ違法」のNHKコメントは誤りです。しかもNHKはその責任を厚労省に転嫁、NHKという公共放送としての独自の見識と判断を全く示しません。NHKの汚職事件にみる精神的退廃は、放送倫理の退廃にもつながっているのではないか。
(3) 自然葬の誇り傷つける。
「くらしの経済」で放映された女性は、散骨の理由を後ろ向きの姿勢で小声で語っています。いかにも後ろめたいことでもあるかのような印象をふりまいています。本会の会員なら正面向いて誇りをもって語るところです。「ご近所の底力」では、自然葬という言葉は使わず散骨というように仕向けています。自然葬という言葉は、15年前に市民運動としてスタートした「葬送の自由をすすめる会」の理念と深く結びついています。その哲学に会員は誇りと共感を抱いています。その誇りを傷つけました。なぜ自然葬という言葉を避けたのか。
(4) 本会への偏見。
(3)とも関連するが、一連の番組で樹木葬という特定宗教法人の墓地事業や業者の葬儀ビジネスの紹介に比べ、ボランティアに支えられた市民運動としての本会の活動が不当に小さく扱われています。石黒クローズアップ事件<注参照>以後、本会への偏見があるのではないか。
違法といわれてきた自然葬に道を拓き、葬送の自由を啓発してきた本会15年の実績(会員1万1000人、自然葬の実施数955回、1627人、啓発のために開いたシンポジウム、講演会、自然葬相談会、市民集会、会員集会などは100回余―2月1日現在)をどうみているのか。
(5) 視聴者の選択の自由奪う。
(4)とも関連するが、特定の宗教法人や業者の営業方法や料金などを中心に紹介、本会のボランティアに支えられた安い費用などが全く紹介されていません。格安、納得、選択術などとうたい文句だけは仰山だが、番組の実態は、視聴者の選択の自由を奪い、その利益を損うものになっているのではないか。
(6) 番組での誤りは番組で訂正を。
当会が石黒クローズアップ事件で得た教訓は、番組での誤りの訂正は同じテーマの番組で訂正しないと意味がないということでした。違ったテーマでは視聴者の層が違うので訂正の効果がほとんどないということです。お墓をテーマにした「クローズアップ現代」の誤りを、京都の都市景観論争をテーマにした同番組の末尾で、2秒ほどで訂正しても耳にとめた人はごくわずかにすぎず、効果がないことが明らかになったからです。それは、自然葬が違法であるかのような印象を受けた視聴者から本会に問い合わせが殺到したことで証明されました。本会が受けた被害は甚大なものがあります。こんどの一連のケースでも同様で「葬送の自由」と「自然葬」をテーマに一本の番組をつくってもらう必要があると思っています。その点について正式な回答を求めます。
<注>石黒クローズアップ事件 1999年11月11日放映の「クローズアップ現代」の「あなたのお墓はだれが守る?急増!無縁墓」のなかで自然葬が違法行為であるかのような放送をした。会の抗議に対して、石黒プロデユーサーが詫び、会への一般の理解を深めるため、この問題を「今後の放送制作に生かしていきたい」と約束した。
本会の質問状にNHKから陳謝文
---------------------------------------
平成17年3月31日(2005年)
葬送の自由をすすめる会 安田睦彦会長様
NHK番組制作局情報番組センター長 太田文雄
拝啓
桜の便りが聞かれる季節になりましたが、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。貴会におかれましては設立15周年を迎えられましたが、この間、葬送のあり方に新たな道を切り拓いてこられたことに敬意を表する次第です。
さて、昨年来、私どもの放送番組にご意見やご批判をいただいてまいりました。番組に多大なご協力をいただきながら、十分な意思疎通を欠いて、結果的に会員の皆さまをお騒がせすることになったことは私どもの本意ではなく、お詫び致します。
近年、「自然葬」など葬送のあり方について社会の関心が高まっております。私たちも大切なテーマとしてとらえ、取り組んでいきたいと考えています。関係者をお招きしての勉強会など、貴会のご協力をお願いしたいと思います。今後とも、ご指導の程よろしくお願い致します。
△ TOPへ
△ TOPへ
△ TOPへ
△ TOPへ

