長沼町 関連

  •  "樹木葬"公園でトラブル 北海道・長沼で住民反対の中で強行  解説
  •  北海道庁や厚労省では違法性ないと了解  解説
  •  北海道・長沼町の"散骨禁止条例"は廃止を  解説
  •  国、道庁の適切な「助言」あったか  解説
  •  長沼町さわやか環境づくり条例  
  •  「ホロナイ樹木葬森林公園」設置に反対する長沼町議会の議決
  •  
  • ★長沼町に対する請願のやり取りは 葬送基本法を のページに掲載しています。


“樹木葬”公園でトラブル 北海道・長沼で住民反対の中で強行

 北海道長沼町で、札幌のある団体が樹木葬公園と称する「散骨場」の分譲を始め、周辺の住民が反対の声を上げ、町議会も反対決議するなど、とんだトラブルを招いている。法や条例による自然葬規制にもつながりかねず、警戒を要する動きだ。

 この団体は、1999年に設立されたNPO法人「22世紀北輝行研究会」。同町幌内に所有する山林約2万3,000平方メートルに公園を造り、4平方メートルずつ区画して散骨用に分譲する。永代使用料として52万5,000円と年1万2,600円の管理費が必要という。

 しかし、周辺は牧場や畑が広がり、農家や新興住宅地も点在する近郊農業地帯とあって、周辺住民が「地下水の飲用ができなくなる。農産物への風評被害も心配」と反対の声を上げ、6月10日には町議会も設置反対を決議した。そんな動きの中でも、団体側はあくまで「散骨」なので法に触れないと主張、事業を強行している。

 これに対して町側と道は、「事業の是非を判断できる基準がない」と困惑しているという。また、町は地元への説明会の開催を団体に指導しているが、地元住民が強硬にボイコットしている。

 この団体の「運営概要」によれば、「遺骨は焼骨されたものとし、樹木の根元約50センチ程度に焼骨をそのまま散骨」とあり、「散骨」という言葉を使いながら、骨は粉末化しなければならないとは言っていない。実際には「埋葬」と見られかねないフシもあるように、事実「埋葬」という言葉も散見され、墓地埋葬法などに触れる恐れが当然指摘されよう。

 また、これほどはっきり反対の動きが表面化していながら、かまわずに強行する姿勢も大いに疑問である。それよりも気になるのは、これに対抗して、自然葬を法律や条例で規制する動きが出かねないことだ。既に町議会も法規制を要請する動きを見せているが、町や道などは今のところ慎重な構えのようである。

 目下は、反対の声の包囲網の中で事業を進めても、実際にどれだけの応募者が出るかといった疑問もあり、展望は不透明だが、行政の動く方向などを油断なくウオッチングしていかねば、と緊張感をもって注目している。

 (注:6月11日付北海道新聞、同15日付読売新聞も参照した)

                 (北海道支部長 塩崎義郎)

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北海道庁や厚労省では違法性ないと了解
樹木葬森林公園問題で長沼町
対立のもと、近隣とのコミュニケーション不足

「再生」54号(昨年9月1日発行)で報告した北海道長沼町の樹木葬森林公園の問題は、町民多数の反発の声を受けて、町が規制条例づくりの動きを始めるまでに至っている。北海道支部としては引き続き経緯を慎重に注視していくつもりだ。

この問題は、札幌のある事業体が樹木葬森林公園と称して同町で“散骨場”の分譲を始めたのに対し、地元の住民が地下水の利用に差し支える、農産物への風評被害が心配だ――などとして7000人を超す署名とともに強い反対の声をあげ、町議会でも反対決議をするなど、事業者との対立が続いているものだ。このような事態の中で、実際の散骨はこれまでに1件行われただけで、もう1件毛髪をまいたケースがあった、という。

 昨年秋、町は現地を視察し、「穴を掘って埋めるものではない」というやり方を確認し、北海道庁、厚生労働省との間でも公園の行為そのものは、違法とはならないことで了解されているという。

 問題の直接原因は、この“散骨場”が近隣の農家や農地、さらに住宅開発地から数100メートルしか離れていないにもかかわらず、近隣との間で十分な意見交換などがないまま散骨事業を始めたことだ。

 北海道支部としては、この散骨事業が葬送の自由と自然葬の社会的合意をめざす私たちの運動と同一視されるようであれば、大変な迷惑だといわざるを得ない。会の「ニセコ再生の森」は住宅地や農地から全く離れた山中にあり、樹木葬森林公園とは次元が異なることはいうまでもない。

(北海道支部長・塩崎義郎)

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 長沼町に限らず、秋田県、高知県などでも同じような山林による散骨ビジネスが計画されており、どこも岩手県一関のお寺がやっている樹木葬墓地を手本にしているようです。一区画4平方メートル(長沼町)といった風に山を“切り売り”する点、永代使用料を50万円余にしている点など、共通しています。(この項、「再生」編集担当)

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北海道・長沼町の『散骨禁止条例』は廃止を
町長に請願書を送付
憲法に保障された「葬送の自由」を否定、と

 北海道・長沼町で起きていた樹木葬森林公園をめぐるトラブルは、町による?散骨禁止条例?制定に発展しました。われわれの運動に直接かかわる問題であり、会は経緯を注視してきましたが、このほど開いた理事会で協議し、散骨禁止を規定した「長沼町さわやか環境づくり条例」は憲法、墓埋法、地方自治法に違反する条例で、基本的人権である「葬送の自由」を否定するものと判断しました。5月1日の施行に合わせて、板谷利雄町長に、同条例を廃止する条例案を議会に提出することを求める請願法にもとづく次のような請願書を送付しました。同法は、官公署は「請願を誠実に処理しなければならない」とし、処理には通念として回答を含みます。町の誠意ある回答を待ちたい。


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国、道庁の適切な「助言」あったか
―問題の経過―

 長沼町で?散骨?をめぐって騒ぎが起きたのは一昨年秋。札幌市のNPO法人「22世紀北輝行研究会」の向井隆会長が社長をつとめる有限会社「北輝行」の「ホロナイ樹木葬森林公園」事業計画が地元紙に報道されたことに始まります。

樹木葬公園、当初は墓地を計画

 その事業内容は、同法人の役員が町内に所有する約2万3000平方メートルの山林を森林公園として開発、うち1万3000平方メートルを樹木葬の用地にあて、1区画4平方メートルずつに区切り、1区画につき永代使用料52万5000円、年間管理費1万2600円で区画内に散骨してもらうというものです。販売区画総数は800から1000区画を予定していました。

 同法人の話では、はじめ岩手県一関市の寺院が始めた墓地に穴を掘って焼骨を埋め、その上に石塔かわりの樹を植える樹木葬方式をまねて樹木葬墓地公園を計画、料金などもほぼ同じにして長沼町に申請したが認められなかったそうです。そこで昨年3月から散骨方式で遺灰を樹下にまく?樹木葬?に切りかえて事業に踏み切りました。これまでに1件の利用者があり、契約者も20人いるといっています。

 この事業計画が公表されたとたんに地元住民から反対の声が一斉に上がりました。町内の有権者の7割が反対署名をしました。幌内地区は酪農、稲作、畑作農業地区で、「地下水に遺灰がまじると気持ち悪い」「家畜の飲み水が心配」「農作物への風評被害がこわい」などが理由になっています。

 こうした声にこたえて長沼町議会は昨年6月10日、「ホロナイ樹木葬森林公園設置に反対する決議」を行い、国や道庁などにも訴えました。

 有限会社「北輝行」の事業内容は、NPO法人がリードしているというにしては、山林をこまかく区切って高く売るなど墓地業者顔負けの営利主義(事業主は費用の一部を公園建設にあてるというが)がめだつようです。これでは事業を始める際のうたい文句、「森を守り、自然を豊かに維持する」ことにはほど遠いのではないかと思われます。

 本会の自然葬は、山や海に遺灰を還す伝統的葬法を守るとともに自然環境保全をめざしています。「再生の森」での自然葬も周辺との関係に配慮し、広い森の自然に手を加えたりせず、山林全体を使うもよし、そのなかの1本、あるいは数本の木の根っ子にまいてもよい、という方法をとっています。費用はほとんどが実費で、3万円から10数万円ほどしかかかりません。参考までにいえば、会の自然葬は海が8割、山(再生の森)が2割となっています。

 必要だった十分な対話と調整

 一方、反対する長沼町の地元住民の声は、科学的な裏づけにとぼしい感情的な理由がめだつように思いますが、といって根拠のない風評被害が起きないとは限りません。

 厚労省と北海道庁は事業主と長沼町、町議会、反対住民とのトラブルについて相談を受けていたようです。その際、散骨方式については「穴を掘って遺骨(焼骨)を埋め、その上に樹を植える」ことがなければ「自然葬、散骨は墓埋法の対象外」という従来の見解に照らして問題はないとしています。

 葬送の自由という基本的権利もその行使には、公共の福祉による制限と、各人、各団体の自由が互いにぶつかる場合、調整に関する内在的制約は避けられません。いかなる権利も、その行使には節度ある方法で行われなければならないのは、当然の社会的制約です。

 それらを踏まえたうえで、長沼町の場合、「何人も墓地以外の場所で焼骨を散布してはならない」というような葬送の自由を否定する条例を認めるだけの?公共の福祉?があると言うことができるのでしょうか。厚労省と道庁は地方自治法にもとづく適切な「助言」「勧告」をしたのでしょうか。

 国、道庁は双方の利害対立を対話と調整で解決する道をさぐるべきで、憲法違反の条例制定を避けるよう「助言」「勧告」すべきであったと思います。

 違憲の条例を放置した国、道庁の責任は重大であると考えます。


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長沼町さわやか環境づくり条例

(目的)

第1条  この条例は、町の環境美化を推進するために、町、町民等、事業者及び土地占有者等の責務その他必要な事項を定め、良好でさわやかな環境を確保し、清潔で美しいまちづくりを進めることを目的とする。

(定義)

第2条  この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 町民等 町の区域に居住する者及び滞在者(旅行等により町を通過する者を含む。)をいう。

(2) 事業者 事業活動を営む者をいう。

(3) 土地占有者等 土地又は建物を占有し、又は管理する者をいう。

(4) ごみ 空き缶、空きびん、食品容器その他の容器、紙くず、たばこの吸い殻、チューインガムのかみかす、粗大ごみその他の廃棄物全般をいう。

(5) 焼骨 人の遺体を火葬した遺骨(その形状が顆粒状のものを含む。)をいう。

(6) 散布 物を一定の場所にまくことをいう。

(7) 墓地 墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年法律第48号)第2条第5項に規定するものをいう。

(町の責務)

第3条  町は、第1条の目的を達成するため、町民等、事業者及び土地占有者等に対して環境美化意識に関する啓発を行うとともに、自主的な環境美化活動を促進させるなど、必要な施策を講じなければならない。

(町民等の責務)

第4条  町民等は、自主的に清掃活動を行うなど、地域の環境美化に努め、町が実施する施策に協力しなければならない。

2 町民等は、家庭の外で自ら生じさせたごみを持ち帰り、又は適正に処理するよう努めなければならない。

3 町民等は、飼育し、又は管理する犬又は猫が家庭の外でふんをしたときは、そのふんを持ち帰り、処理しなければならない。

(事業者の責務)

第5条  事業者は、町が実施する環境美化の促進に関する施策に協力しなければならない。

2 事業者は、当該事業活動によって生じるごみの散乱の防止及び消費者に対する環境美化意識の啓発に努めなければならない。

3 事業者は、ごみの散乱を防止するため、自らの事業活動により生じるごみの回収、処分及び再資源化に必要な措置を講じなければならない。

4 事業者は、事業所及びその周辺その他事業活動を行う地域において、清掃活動の充実に努めなければならない。

(土地占有者等の責務)

第6条  土地占有者等は、町が実施する環境美化の促進に関する施策に協力しなければならない。

2 土地占有者等は、その占有し、又は管理する土地及び建物を常に清潔に保ち、ごみを不法に投棄されないよう環境美化に努めなければならない。

(投棄の禁止)

第7条  何人も、みだりにごみを捨ててはならない。

(散布の禁止)

第8条  何人も、墓地以外の場所で焼骨を散布してはならない。

(勧告)

第9条  町長は、第4条第3項、第7条又は第8条の規定に違反していると認めたときは、その違反者に対し、必要な措置を講じるよう勧告することができる。

(命令)

第10条  町長は、前条の規定による勧告を受けた者が、正当な理由がなくその勧告に従わないときは、期限を定めて勧告に従うことを命じることができる。

(立入調査)

第11条  町長は、第4条第3項、第7条又は第8条の規定の施行に必要な限度において、町長が指定する職員に、次の各号に掲げる場所に立ち入り、帳簿、書類その他の必要な物件を調査させることができる。

(1) 犬又は猫のふんが放置されている場所

(2) ごみが散乱している場所

(3) 焼骨が散布されている場所又は散布されている疑いのある場所

2 前項の規定による立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

3 第1項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(公表)

第12条  町長は、第9条の規定による勧告若しくは第10条の規定による命令に従わなかった者又は第11条の規定による立入調査を拒み、若しくは妨げた者があるときは、その旨を公表することができる。

2 町長は、前項の規定により公表しようとするときは、あらかじめ、公表されるべき者に弁明の機会を与えなければならない。

(罰則)

第13条  焼骨を散布する場所を提供することを業とした者は、6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

2 第4条第3項又は第7条の規定に違反し、第10条の規定による命令に従わなかった者は、5万円以下の罰金又は科料に処する。

3 第8条の規定に違反し、第10条の規定による命令に従わなかった者は、2万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

4 第11条第1項の規定による調査を拒み、又は妨げた者は、2万円以下の罰金に処する。

(両罰規定)

第14条  法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業員が、その法人又は人の業務に関し、前条第1項又は第4項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して、それぞれ同項の罰金刑を科する。

(委任)

第15条  この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

附 則  この条例は、平成17年5月1日から施行する。


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「ホロナイ樹木葬森林公園」設置に反対する長沼町議会の議決

 特定非営利活動法人22世紀北輝行研究会会長が代表者、有限会社北輝行が、事業主体となって、本町の幌内地区に設置を計画している「ホロナイ樹木葬森林公園」は、北海道初の遺骨を粉末状にして樹木の周辺に撒くという「散骨方式」の樹木葬ができることを広く周知しており、社会注視の的となっている。

 散骨は、法規制の対象外とはいえ、日本の食料基地北海道の牽引役としての地位を占める長沼町の中でも農産物・酪農畜産物生産が最も盛んな幌内地区において、このような施設を設置することは、到底容認できるものではない。

 当地区の丘陵地帯の住民は、飲料水を地下水に求めており、また地区内を走るウレロッチ川の流水は、かんがい用や家畜の飲み水として、重要な役割を果たしているところから、風雨による散骨の飛散・地下浸透・河川への流入が危惧されている。

 この影響による衛生問題等生活環境の悪化や今後の定住化の後退、地域自治組織の崩壊や市場評価の高い農産物・酪農畜産物等も世情に敏感な消費者の不買運動等の風評被害による大打撃が懸念されており、ひいては、地域住民の生活自体が立ち行かなくなることも考えられる。

 今、全町民が一丸となって、本町の自立に向け懸命の努力を求められている中で、基幹産業である農業の衰退や生活環境の悪化、イメージダウンに伴う観光入り込み客の減少など町や住民にとって不利益となる施設、地域の合意が得られない施設、住民福祉の向上に結びつかない施設は、長沼町には断じて必要ない。

 よって、本議会は、「ホロナイ樹木葬森林公園」の設置に強く反対し、計画撤回を求めるものである。

 以上、決議する。

    平成16年6月10日 長沼町議会

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