元日の夢枕に観音様のお告げ 沖縄で活躍中の本会・岡田理事
安田 睦彦
「汝は沖縄に行き、私を本尊として長谷寺をつくり、三十三観音霊場を開きなさい」
本会の理事で真言宗豊山派泉福寺(東京・江戸川区)の住職で、弁護士でもある岡田弘隆さん(62)は、2005年(平成17)の元日の夢枕にあらわれた奈良県桜井の総本山長谷寺のご本尊、十一面観音様から、そう告げられたというのである。
岡田さんは東京都内にあった弁護士事務所を整理し、沖縄移住を決意した。熟慮の末だった。
沖縄には観光で行ったことはあるが、知り合いが1人としていないところだ。しかし「観音さまのお導きか、沖縄行きをきめたとたんに助けてくれる方が次々とあらわれて」岡田さんはその年の夏には、もう単身で那覇空港に降り立っていた。
沖縄・長谷寺は、那覇市から少しはなれた糸満市の高台にある。敷地は1300坪、建物は180坪。宝石商がもっていたプールつき別荘を譲りうけ、寺院として改造したもので、見晴らしは抜群。青い海と、白い砂浜の海岸線の向こうに那覇空港、さらに同市内の高層ビル群とそれを縫うように走るモノレールが一望に収まる。
私が長谷寺を訪れたとき、地元の亡くなった方の葬儀が終わった翌日で、本堂には香煙のにおいが残っていた。
地元の方たちの葬儀も手伝い、相談ごとには弁護士として力を貸しながら、岡田さんは、焦点を大きく3つにしぼり込んで精力的に走り回っている。
1つは観音さまのお告げを守って三十三観音霊場をつくり、西国観音霊場めぐりのような沖縄観音霊場めぐりのルートを開くことである。
2つは沖縄戦の亡き方々を慰霊し、沖縄の地を基地のない平和な島とすることだ。
3つは、本会理事として、沖縄支部の世話人とともに葬送の自由の啓発と自然葬の普及に尽くすことである。沖縄・長谷寺は、いまでは支部会員たちのよりどころとなり、楽しい語らいの場にもなっている。
いま、沖縄・長谷寺の門前には、地元の陶芸家による2頭の大きなシーサーが目をかっと開いて前をにらんでいる。焼きものづくりが趣味の岡田さんらしい。焼き物づくりも、沖縄にきた目的の1つかもしれない。
(2009.1)

