厚労省に公開質問状!
北海道長沼町の散骨禁止条例や倶知安町の自然葬自粛要請などの事態の経緯をふまえて、会は厚生労働省に次のような公開質問状を送りました。それに対する厚労省の回答と会の再質問状を掲載します。2005年8月10日
厚生労働省健康局長 田中慶司 様
NPO法人葬送の自由をすすめる会会長・安田睦彦
樹木葬森林公園をめざした事業体にからむ北海道長沼町の散骨禁止条例など、基本的人権である葬送の自由を否定するような動きがありました。
葬送の自由は現代の多様化した価値観や宗教感情を互いに尊重しあうところに成り立ちます。一方的に相手の立場を否定することで混乱を招いているのは残念です。
そうした混乱の背景に自然葬は墓埋法の対象外といいながら、焼骨の埋蔵についてあいまいな拡大解釈を示す厚労省の姿勢が問題を複雑にしているように思います。以下の点について厚労省の見解をお聞きしたい。8月30日までに回答をいただけると幸いです。
質問状
| 1. | 「焼骨の埋蔵」について | |||
| (1) | 墓地、埋葬等に関する法律の「焼骨の埋蔵」とはどのように定義されるものでしょうか。その根拠は何ですか。 | |||
| (2) | 貴省が都道府県等やマスコミに、以下の行為が焼骨の埋蔵にあたるとの見解を表明されたことがありますか。 | |||
| ・地面に穴を掘り、その穴の中に焼骨をまいた上で、その上に樹木の苗木を植える方法により焼骨を埋めること、またはその上から土や落ち葉をかける方法により焼骨を埋めること。 | ||||
| ・散布した焼骨の上から量の多少を問わず土または木の葉をかけること。 | ||||
| (3) | 自然葬・散骨は、焼骨の埋蔵とはどの点で異なっているでしょうか。 | |||
| (4) | 墓地内に焼骨を埋めようと、撒こうと、「地下水など周辺環境を汚染し、農作物の風評被害をまねく」という“苦情”が出るのではないでしょうか。 | |||
| 2. | 自然葬について | |||
| (1) | 貴省は、自然葬について、どのような行為形態と認識され、かつ、これをどのように評価されていますか。 | |||
| (2) | 自然葬ないし散骨について、後記3を除き、具体意的に社会的な問題となった事例がありますか。あればその規模・形態等具体的内容を教えてください。 | |||
| 3. | 散骨関連条例について北海道長沼町では、本年5月、散骨を禁止する条例を制定しましたが、ほかに散骨を禁止ないし規制する条例、あるいは散骨を推進する条例・要綱等をご存じでしたら教えてください | |||
| 4. | 墓地の需要・墓地の価格について | |||
| (1) | 墓地が不足しているといわれていますが、その理由として 、墓地建設が困難な事情および使用者による管理がされていない 墓地(永続性のない墓所)の存在が大きいのではないですか。 | |||
| (2) | 上記の点について現行法制度に問題はないのでしょうか。 | |||
| (3) | 一般に墓地(墓所・墓石)の価格が高いといわれていますが、なぜ高いのかその背景および価格システムを教えてください。 | |||
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厚労省が公開質問状に回答
平成17年9月5日
NPO法人葬送の自由をすすめる会
会長 安田睦彦様
厚生労働省健康局生活衛生課
御照会の件について
2005年8月10日付けで御照会のありました件について、墓地の許可事務及び指導監督事務は都道府県などの自治事務とされているところ、墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年法律第48号。以下「墓地埋葬法」といいます。)を所管している当方の所掌事務の範囲内において、下記のとおり回答いたします。
記
| 1 | (1)について |
| 墓地埋葬法においては、「焼骨」とは、死体を火葬した後のいわゆる遺骨を指しているものと考えております。また、「埋蔵」については、墓地埋葬法の趣旨及び民法(明治29年法律第89号)、文化財保護法(昭和25年法律第214号)等他の法令における「埋蔵」の解釈を踏まえて、一般的には、土地その他の物の中に外部からは容易に目撃できないような状態、人目に触れ得ない状態にする行為をいうものと考えております。 | |
| 1 | (2)について |
| 具体的事案に関する判断については、墓地の経営及び管理についての指導監督権限を有する都道府県等にゆだねられているところですが、一般的には、「樹木葬森林公園に対する墓地、埋葬等に関する法律の適用について」(平成16年10月22日付け健衛発第1022001号厚生労働省健康局生活衛生課長回答)において、「一般的に言えば、地面に穴を掘り、その穴の中に焼骨をまいた上で、その上に樹木の苗木を植える方法により焼骨を埋めること、または、その上から土や落ち葉等をかける方法により焼骨を埋めることは、墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年法律第48号)第4条にいう「焼骨の埋蔵」に該当するものと解され」るとの見解を示しております。 | |
| 1 | (3)について |
| 御質問の「自然葬・散骨」の一般的な定義が明らかではありませんが、仮に当該行為が上記「1(2)について」で申し上げた行為に該当する場合には、「焼骨の埋蔵」に該当する可能性があります。 | |
| 1 | (4)について |
| お答えする立場にありません。 | |
| 2 | (1)について |
| 「自然葬」の一般的定義が明らかではないため、お答えすることができません。 | |
| 2 | (2)について |
| 平成10年6月の「これからの墓地等の在り方を考える懇談会報告書」(厚生省生活衛生局)において、散骨について、平成6年に、東京都所有の水源林の区域に散骨が実施されたことに対し地域住民から苦情が出され、地元市町村が東京都に対して散骨を容認しないことを求める要請書を提出した旨記載されております。 | |
| 3 | について |
| 当省では把握しておりません。 | |
| 4 | (1)及び(2)について |
| 御質問の主旨が不明であり、お答えすることができません。 | |
| 4 | (3)について |
| お答えする立場にありません。 |
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厚労省に再質問状
2005年9月9日
厚生労働省健康局長
中島 正治様
NPO法人葬送の自由をすすめる会 会長・安田睦彦
公開質問状への回答に再質問いたします
本会からの公開質問状に対する回答を受け取りました。ただ質問に答えていないところがあって残念です。とくに質問1「焼骨の埋蔵」についての(2)貴省が都道府県やマスコミに以下の行為が焼骨の埋蔵に当たるとの見解を表明されたことがありますか、の項での「散布した焼骨の上から量の多少を問わず、土または木の葉をかけること」という点についてまったく答えておりません。
A そうした趣旨のことを言った覚えはない。
B これは「埋蔵」には当たらないと考えている。
C その他の理由。
明確に答えていただけたら幸いです。
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厚労省の回答
会のこの再質問に対して厚労省は2009年12月現在、無回答のままである。

