「葬送基本法」制定に向けて

葬送基本法制定宣言/アピール


いまこそ「葬送基本法」制定を

私たち「葬送の自由をすすめる会」は呼びかけます

「逝ってしまった者」にも「残された者」にも、もっと自由をと!


 「死者は墓に埋葬すべきもの」。私たちは、この観念にとらわれ過ぎてきたのではなかったか。「生者」が「自由な生き方」を望むように「死者」もまた、「自由な見送られ方」を願っていいのではないか。私たち「葬送の自由をすすめる会」(以下、「すすめる会」と略称)は、1991年2月2日、東京・飯田橋で「結成大会」を催し、同年10月5日、相模灘で第一回の「自然葬」実施にこぎつけて以来、逝ってしまった方々の遺志、残された方々の願望を手がかりに海、山、川、森、野などを“終焉の地”に選び、遺灰を自然に還す「自然葬」のお手伝いを重ねてまいりました。会員は、着実に増加し、「葬送の自由」を求める活動を精力的に繰り広げています。

 こうした活動を重ねる中で私たちは、自由な葬送を求める声が急速に高まりつつあるとの確信を抱き、『葬送基本法』の制定を広く世の中に向けて強く働きかけたいと考えるに至りました。

 私たちは、今後、理念をさらに練り上げ、法律の専門家等のお知恵を頂戴しながら基本法の条文作成を進めてまいりますが、敢えてこの時点で考え方を述べさせていただけるならば、それは、次のように要約できるかと存じます。

● 死者を葬り、見送る行為は、「葬送の自由」を大原則とし、個人の尊厳を貫き、自主的に、個性的に行われる。

● 山林、河川、海などに遺灰を散布する「自然葬」は、節度、品位に十分留意して行う。

● 墓地の大規模造成などが自然環境悪化を招く恐れが出ている現状に対し、「自然葬」は、土地の有効活用と保全に資し、ひいては地球環境悪化防止にもつながるものであって、国、地方自治体は、これを積極的に支援する。

● 国、地方自治体は、「自然葬」が上記の如く節度をもって行われる限り、自然葬のための公有地開放、この精神を具現化するための公的予算の投入を積極的に行う。

● 国、地方自治体は、「自然葬」を不当に規制してはならない。

● 従来の習俗に従った埋葬及び埋蔵を否定しない。この考え方に立つ人びとと良好な関係を保っていく。

● この目的を達成するため、地球上に生きるすべての人びとによる盛んな語らい・検討・議論を展開していく。ここで言う「人びと」とは、国境、民族、人種、宗教、性の違いを超えた個人であって、いっさいの差別はこれを認めない。

● 「葬送の自由」および「自然葬」は、この法律によって改めて明示的に保障される。

                2009年6月20日 NPO法人葬送の自由をすすめる会