秩父市の“散骨禁止”条例に対し 撤廃を求める請願を送付
埼玉県秩父市が、2008年12月18日、墓地以外で散骨を禁止する市環境保全条例の一部改正案を市議会に提案して可決され、即日施行しました。市内の株式会社組織の事業者が「散骨場」をつくったことに対して、11月ごろから地元住民の反対運動が起きたのが発端です。請願は、05年5月、“散骨禁止条例”を施行した北海道の長沼町長あてに提出したのに続いて2度目です。
秩父市“散骨禁止”条例撤去を求める請願
秩父市長 栗原稔殿
2009年1月5日
NPO法人葬送の自由をすすめる会
会長 安田 睦彦
秩父市環境保全条例の一部改正で付加された散骨禁止関係規定を撤廃する条例案を議会に速やかに提出されるよう憲法16条(請願権)および請願法の規定に基き次のように請願いたします。
<請願の内容>
秩父市環境保全条例の一部改正による散骨禁止関係規定の内容は主に次の点です。「何人も墓地以外の場所で焼骨を散布してはならない。ただし、市長が別に定める場合はこの限りではない」と「ごみ等の投棄禁止及び飼い犬のふん害等の防止」に「焼骨の散布制限」を加えた2点です。
第1の点 墓地以外での散骨禁止は基本的人権である「葬送の自由」を否定するものです。「葬送の自由」は、まず憲法13条「個人の尊重、生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」という一般的自由権のひとつとして自己の死後の葬法を自分で決定する権利、つまり自己決定権と、私的行動について他人の干渉を許さないプライバシー権などとかかわる。さらに憲法19条の「思想、良心の自由」20条の「信教の自由」21条の「表現の自由」とも深くつながる基本的人権です。つまり、死生観、宗教感情など人の生き方とかかわるからです。
秩父市の条例で自由に散骨できなくなることは、憲法上の権利である葬送の自由を侵すことになり、憲法違反です。また憲法上の権利は原則自由だから条例のように市の全域で禁止するとなると憲法はもとより、墓埋法、地方自治法違反にもなります。
第2の点では 故人や残された者が散骨による自然葬を選ぶのは、大きな自然の生命の循環のなかに還りたいという、いわば崇高な宗教的感情に根ざしていることです。それにもかかわらず、秩父市の条例が遺骨(焼骨)の散布を犬などのフンやゴミなどと同列に並べて禁止しているのは、人間の尊厳を冒すものであり、侮辱するものです。条例で犬のフン処理用の木箱を街路樹に設置している市もあります。勉強して下さい。
また、葬送のための行為として節度をもって自然葬を行った故人、遺族のみならずこの運動への社会的合意を広げようとしているわれわれの会と会員、そして協力を惜しまない国民の方たち貶めるものです。
いずれにしても散骨禁止の立法理由がはっきりしません。
以上、われわれは、秩父市環境保護条例の一部改正で付加された散骨禁止関係規定を撤廃する条例案を速やかに議会に提出されるように求めます。
