22008度会員総会 葬送基本法の制定など、運動は新たな段階へ
6月28日、2008年度会員総会で論議
2008年度会員総会が6月28日、東京都千代田区の主婦会館で開かれ、墓埋法を廃して葬送基本法の制定を求めることなどを含める活動計画案や、2007年度収支決算、2008年度予算案などを全会一致で承認した。会の運動は今年で17年を経過し、葬送の自由と自然葬に対する社会の意識は大きく変わってきた。それを踏まえて、運動は葬送基本法の制定を軸にした新たな段階に進むことが承認された。
冒頭のあいさつで、安田会長は葬送基本法の制定を求める活動方針案にふれ、「葬送の自由と自然葬の運動を始めて以来、社会の葬送意識は大きく変わって、自然葬は違法だと思われていた時代はどこにいったかという状況だ。墓埋法は墓に入れるための法であり、自然に還すことについては対象外ということになっている。しかし自然葬はここまで定着してきた。葬送の自由を原則とし、選択の自由を公正に保障する葬送基本法が必要だと考えている。実現まで運動は長きにわたると思う。これからこれまで以上のエネルギーが必要となる」と述べた。
昨年度の活動報告案の審議では、特別合同自然葬がふえたことに関連して、熊本県でも海の自然葬希望がふえ天草海域で特別合同葬ができるようにしたいとの質問があり、検討することになった。
2008年度活動計画では、葬送基本法制定のほか、東京都が東京湾ですすめている「海の森」計画に会の考え方を反映することを求める「都市緑化との連携」計画、会員増加対策、市民後見人の養成の支援、などを中心に議論があった。
葬送基本法については、「どこで自然葬をするかという地域との問題がからむ。議論の過程で、地方自治体の意見も聞きたい」との意見表明があった。また、市民後見人の養成を支援する議題については、「即養成となると膨大な仕事になる。しかし、養成することを支援し制度について研究していくということは大切だ」、会員増加対策については、若い人材の参加をめざすには、?土、日曜日に会で働く場をつくる、?インターネットで入会手続き、会費納入手続きができるような対策を、などの提案があった。
2008年度会員総会
2008年度の会員総会は、6月28日(土曜日)、東京・JR四ツ谷駅前の主婦会館プラザエフ7階会議室カトレアで開催しました。
■議事プログラム
安田睦彦・会長あいさつ
議長選出について
2007年度活動報告
2007年度収支決算報告
監査報告
2008年度活動計画案について
2008年度予算案について
理事2人の退任について報告
閉会あいさつ
2007年度活動報告
本会顧問の宗教学者・山折哲雄さんを囲む会を4月に東京で開催し、山折さん提唱の「一握り散骨」を考えながら運動のあり方など議論を深めた。駿河湾と紀伊水道で特別合同葬を新たに実施して特別合同葬実施場所を4か所に拡大した。また、ホームぺージを一新、講演会、集会、交流会は各地で活発に開かれ、運動を推進した。
<2007>
4・8 福島県郡山市で初の会員交流会。13人参加。
4・14、15 大分県由布市で九州支部、熊本県支部合同合宿研修会。
4・21 東京・文京区の日中友好会館で本会顧問の山折哲雄・前国際日本文 化研究センター所長を招いた「山折さんを囲む会」開催。63人参 加。山折さん提唱の「一握り散骨」を考えながら、運動について議 論を深めた。
4・29 仙台市で会員交流会。
5・12 駿河湾・清水港から出航し富士山横目に自然葬体験乗船会。46人参加
〃 福岡市で「自然葬を語る市民の会」。会長が「鶴見和子と木下 順二」講演。129人参加。
6・10 秋田で「自然葬を語る市民の集い」。42人参加。
6・23 広島市で「自然葬を語る集いin広島」。会長が「鶴見和子と 木下順二の葬送観」講演。70人参加
6・25 ホームページを一新し運用開始。
6・30 2007年度会員総会(東京・文京区の文京シビックホール)
〃 札幌で「あなたはお墓に入りますか―講演と疑問に答える 会」90人参加。
7・7 観音崎沖で夏の特別合同自然葬。
7・14 小樽沖特別合同自然葬。
〃 仙台で「市民の集い」。会長が「鶴見和子と木下順二」講演 127人参加。
9・8 観音崎沖で秋の特別合同自然葬。
9・15 青森で初の会員交流会。23人参加。
9・29 静岡市で市民集会。会長が「鶴見和子と木下順二」講演。
63人参加
〃 熊本市で交流会。27人参加。
10・13 岡山で「第1回自然葬を語る集いin岡山」。
会長が「鶴見 和子と木下順二の葬送観」講演。60人参加。
10・20 駿河湾で初の特別合同自然葬。
〃 札幌市で会長が「木下順二と鶴見和子の葬送観」講演 63人参加
10・21 仙台で会員交流会。30人参加。
10・27 名古屋で会員交流会。悪天候の中、25人参加。
11・17 沖縄県宜野湾市で沖縄で10年ぶりの「自然葬を語る集 い」。
50人参加。
11・18 紀伊水道で初の特別合同自然葬。
12・1 観音崎沖で冬の特別合同自然葬
<2008>
1・26 和歌山市で西俣理事が「21世紀の葬送」講演。50人参加
2・24 旭川市で初の懇談会
3・15 観音崎沖で春の特別合同自然葬。
〃 名古屋で市民交流会。50人参加。
3・20、21
東京で全国支部長・理事合同会議。安田会長が理事会に会長 交代を申し入れたことで開催。運動の課題など含め熱心な討 議。会長は当面続投に。
2008年度活動計画案
1、墓埋法を廃して葬送基本法を
日本国民はいま墓地葬と自然葬にわかれている。だが、葬送のための法律としては墓地一辺倒の墓埋法があるだけ。墓地に入れるか、自然に還すか、葬送の自由を原則とする葬送基本法をつくる必要がある。これまでの墓埋法は、多様な国民の価値観・宗教感情から遊離し、特定宗教や業者と結びついている。家族制度の崩壊、少子高齢化による墓の守り手不在、墓地造成による自然環境破壊、焼骨の墓地埋蔵……時代遅れの墓埋法の見直しは緊急課題である。
会の18年の運動によって葬送の自由と自然葬への一定の社会的合意が形成されたいま、会として推進のためのチームをつくり、政界、官界、学界、財界、マスコミなど各方面に働きかける態勢をつくる。
2、自然葬の場の拡充、整備をはかる
a、特別合同自然葬の拡充
海での特別合同自然葬は、北から小樽沖、観音崎沖、駿河湾、紀伊水道の4ヵ所で行われるようになり、利用もふえている。近く、相模灘でも復活する。一定の期日をきめて遺族が自然葬を申し込む方式が、個人の都合を調整しなければならない普通の合同葬より便利だ。今後、各支部ごとにさらに地点をふやしていく。
また、散骨によるリンゴ葬、アンズ葬(果樹園)、ハーブ葬(田畑)、バラ葬(自宅庭)など多様化をすすめながら山での特別合同葬も推進する。
b、現有の「再生の森」の整備
海の自然葬が全体の8割以上を占めている一方で、山、森での自然葬を希望する声も強い。会はそれに十分には答えていない。長野県大町市の1万2千坪を超す会所有の森の「再生の森」としての利用をめざすのをはじめ、会が保有しながら利用していない山や森について活用法を探る。
c、国有林の開放をすすめる
国有林の開放をすすめる運動は、これまで何度も強調されてきた。林野庁との交渉、関係者を交えたシンポジウムを開いてきたが、森林行政の行き詰まりを背景に各地の林業関係者、森の所有者が会の運動への関心を深めてきている。営林署や地元自治体関係者、林政関係の研究者やこれらの幅広い層との連携も探り、開放をすすめる。
d、都市緑化との連携
親しんできた身近な自然への散骨を望む人たちは多い。また地方には都会人が都会で散骨しないで地方の「再生の森」でまくことに違和感をもつ人もいる。そうした声に対し、都市空間での自然葬を広げることをはかる。具体的な行動として、東京都が東京湾のごみの島ですすめる「海の森」計画に参加をはかり、再生の森構想を盛り込んでいく。
3、会員の増加対策
a、若い人たちに自然葬への関心を広げたい。会は昨年、今後運動を支えていく若い世代に運動を伝える対策のひとつとして、30歳未満の会員の年会費を2000円にする若年会員優遇制度を設けた。制度の周知が不十分なので、機会をとらえてPRにつとめる。また、自然葬を見学したいという中学生、高校生らを特別合同自然葬に無料招待する。
b、各支部の集会では、まだ会員になっていない人の参加が目立つようになり、運動への社会的な関心の一段の広がりを感じさせる。こうした人たちに、自然葬の実施だけでなく社会的合意を広げようとする運動の意義を理解していただくようつとめたい。
c、「再生」の遺族の感想文に、ホームページを経由して会を知ったと記すケースがふえた。昨年一新した内容をさらに魅力あるものにしてアクセスをふやす。
4、市民後見人の養成
判断能力が十分でなくなった高齢者の財産や生活を守るため、普通の市民が研修を受けて後見人になるケースが出始めている。東京都世田谷区は「区民による区民の後見」を目標に06年から研修講座を始めるなど、東京都や大阪市で整備のための動きが始まっている。1人暮らし高齢世帯の増加という問題に対応し、会は昨年度これらの人の死の尊厳という問題提起をした。その一環として、市民後見人の養成について支援する。
5、広報対策
「会の自然葬費用は葬儀業者などと比べて格段に安いが、一般の人は知らずに高い葬送費用を払わされている。PRが足りない」という会員からの声があった。会は20年継続会員の海の特別合同自然葬を無償化し、生活保護を受給している会員の特別合同自然葬も無償としているが、世間に周知されていない。チラシをつくったり、集会などで広報したりするなどしてPRをはかる。
各支部からの要請や市町村教委、その他各地のNPO団体などから講演依頼がふえており、会のタレントを活用した講師団を編成し、幅広いテーマで講演活動を進める。
6、20周年記念事業計画をスタートさせる
a、市民シンポジウム「千の風になって」
秋川雅史さんが歌う「千の風になって」は国民的人気を博している。「私のお墓の前で/泣かないでください/そこに私はいません」という歌詞の内容は、まさに自然葬そのものである。それが国民的関心につながったのはなぜか。来春をめざして、講師、参加者一体のシンポジウムを開く。
b、天文学者・小尾信彌さんの月1回連続講話
会の顧問で天文学者の前放送大学学長・小尾信彌さんに「宇宙と人間」のテーマで月1回の連続講話を秋からお願いする予定。宇宙の目で人間世界をみつめ直す。結果を本にまとめる。
c、記念ビデオの作製
最新の会の活動を加えたビデオテープ、DVDを作製する。
◇理事2人の退任についての報告
理事2人が辞任し、在任中の役員は以下の通りとなりますので報告します。なお、辞任する理事梶山正三氏は顧問に就任します。
■在任中の理事
安田 睦彦(ジャーナリスト)
薦田 哲 (弁護士)
池田 敦子(元東京都議会議員)
酒井 卯作(民俗学者)
平野 和彌(千葉大名誉教授)
松田 重三(帝京大学医学部教授)
小原 秀雄(女子栄養大学名誉教授)
富田 光一(出版編集者)岡田 弘隆(弁護士・僧侶)
大山 健児(弁護士)
山本 賢一(元海上保安部長)
関谷 雄輔(写真家)
板橋 寛二(元会社顧問)
日比野朋子(会社役員)
溝口 雄三(東京大学名誉教授)
稲田 明男(元会社役員)
橋本 保子(カウンセラー)
谷地 智子(ジャーナリスト)
西俣 総平(ジャーナリスト)
小飯塚一也(ライター)
柴田 ひさ(留学生支援活動家)
松井 覚進(ジャーナリスト、自然農法園経営)
多谷千香子(法政大学教授、元最高検検事)
石崎 富江(元東京都福祉局長)
中村 朝子(独居老人コンサルタント)
塩崎 義郎(北海道支部長)
柳 博雄(関西支部長)
■在任中の監事
古坂 嘉雄(建築家)
廣田 敦郎(税理士)
■退任理事
梶山 正三(弁護士)
人見 達雄(元東京都職員)
■顧問
小林 直樹(東京大学名誉教授)
山折 哲雄(前国際日本文化研究センター所長)
黒澤 丈夫(前群馬県上野村長)
牟田口義郎(中近東文化センター理事長)
中村 正巳(元東京都桧原村長)
村田喜代子(作家)
カール・ベッカー(京都大学大学院人間・環境学研究科教授)
中村 生雄(学習院大学教授)
池田 茂穂(京橋公証役場公証人)
小尾 信彌(元放送大学学長)
梶山 正三(弁護士)