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「市民後見人」の勉強会を始めませんか
大沢周子(会員・ノンフィクション作家)
介護保険が始まったのは2000年の4月。同時にスタートしたのが「成年後見制度」である。
「葬送の自由をすすめる会」の会員は、「自らの生命の終焉」に関しては、思索を深めてきた時間の連なりがあった。しかし「そのときに到るまで」、経済面の手立てを講じておかなくてよいのか。とりわけ、生活を支える預貯金の出し入れに関しては、不安が募る。
銀行も郵便局も自分の足で行けるうちはよいが、寝込んだときはどうするか。認知症を発症して金銭に関する判断能力がなくなったときはどうするか。年金が振り込まれる口座は何銀行か。ガス、電気、水道など公共料金の引き落とされる口座は何銀行か。預金通帳や不動産の権利証などはどの引出し、または何銀行の貸金庫に入れているか。証券の預け先は……。このような不安や心配に応える「安全・安心の仕組み」が8年前に始まった「成年後見制度」である。
成年後見制度は次の2つの制度から成り立つ。ひとつは認知症などで既に正確な判断ができなくなった人のための「法定後見制度」。もうひとつは現在は判断能力がある人が、将来の不安に備えて自身で後見人を決めて契約を結ぶ「任意後見制度」である。現在までのところ、制度が一般市民に広く周知されていないため、認知症の高齢者は全国で約170万人いるにもかかわらず、制度の利用はあまり広がっていない。
後見人として契約を結ぶのは、弁護士、司法書士、社会福祉士などの専門家、そして親族である。新しい動きとして、「市民後見人」が制度を担うケースも出てきた。これは、一般の市民が、約70時間の研修講座を受講し、その後、専門職について現場で実務の講習を終了、「市民後見人」としてスタートするという仕組みである。東京都、大阪市などは2005年から市民のための後見人の養成講座を始めている。東京都は457人が申し込み、05年、06年の2年間で116人が研修を終了した。
一人暮らし高齢世帯の増加という問題もあり、当会においても成年後見を担う「市民後見人」養成の支援をしようとしている。
後見人の報酬は、後見を依頼する本人の資力と、後見の仕事内容などを勘案して、家庭裁判所が決める。およその額は、専門家に頼むなら1ヵ月3〜5万円。報酬を支払うのは、本人に認知症が出て、後見業務がスタートしてからである。なお、認知症が始まっているか否か、の医師の鑑定費用は5〜10万円である。
勉強会を始めませんか。関心のある方は、事務局にご感想、ご意見を寄せてください。