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自然葬契約と自筆証書遺言

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自然葬契約と自筆証書遺言

手軽に作れて費用もかからず

  去る4月10日(2004年)八王子市で行われた映画『蕨野行』鑑賞会・自然葬相談会で、参加者から「自然葬契約を締結したけれども、その実施を確実にするために遺言を作っておきたい。ついては、遺言のサンプルを例示してほしい」という要望が出されました。この要望におこたえするため、以下に説明をします。

 ■費用はゼロ

 前二者は法律上、遺言には公正証書遺言、秘密証書遺言、自筆証書遺言――の3種類があります。作成の段階で公証人または裁判所の介入が必要で、法律的には確実な方法ですが、それなりに手間と費用と時間がかかります。

 それに比べて、自筆証書遺言には若干の短所はあるものの、手軽に作成できて費用もほとんどかからないので、その方法を説明します。

 ■必須条件は?

1. 必ず日付を書き、適宜の用紙(種類や形式に制限はありません)に全文を自筆で書くこと。ただし、鉛筆で書くと、他人による訂正などの跡がわかりにくいので、鉛筆使用は不可です。また、文書は縦書きでも横書きでもかまいません。

2. 訂正は避けること。ただし、訂正があれば、その箇所に押印して、どこをどのように訂正したかも付記しておくこと。

3. 全文を1枚の紙に書いて、署名と押印をすること。拇印は不可ではありませんが、極力印鑑を使用すること。(印鑑は実印に限るとまでは要求されていません)

4. 遺言を封筒に入れて(封筒の形などは適宜でかまいません)、上記と同じ印鑑で必ず封印します。表面に「遺言書」と明記しておきます。

 

■その他の参考条件

 故人(遺言を書いた人)が生前に希望していたことが、その死後に実現しない場合に、

 関係者がその希望を実現させるために公的機関に申し出たときに、家庭裁判所が法的な手続きとして「検認」を実施します。上記の必須条件はその「検認」に際して家庭裁判所が確認しなければならない事項です。たとえば、裁判所に提出する場合には、封筒の封印がそのままになっていなければなりません。

 上記の必須条件が守られていれば、書く人の思うがままに何を書いてもさしつかえありません。しかし、そもそも契約済みの自然葬の実施を確実なものにしたいからこそ、この遺言を作るのですから、少なくとも以下の事柄だけは記載しておくのがよいでしょう。

1.「葬送の自由をすすめる会」(以下甲という)の会員(7桁の会員番号を記載)であり、自然葬契約(4桁の契約番号を記載)を締結済みであるので、その契約に従って自然葬を実施してもらいたいこと。

2.もし「木霊と凪」(以下乙という)との間に、遺骨の粉末化に関して取り決めがあるならば、それを必ず付記すること。

3.甲乙とも所要の費用を支払い済みなら、その旨を記載し、もし不足が生じたならば、本人の死後の財産から支弁する旨を併せて記載すること。

 (自然葬実施後の費用清算の際に返戻金があっても、これの処理は「連絡責任者」の指示に従うべきであるので、契約との重複を避けるため返戻金について記載は不要です)

 

■長所と短所

終わりに当たって、この自筆証書遺言について一般に考えられる長所と短所をご参考までに記しておきます。

[長所]――特別な費用がかからない。また、本人としての個人的な秘密が守れる。

[短所]――通常は身辺の近くに保存するので、これを目にした誰かに盗まれたり、破損されたりする恐れがある。また、自分で書かなければならないので、手や目の不自由な人には無理な作業かもしれません。最後に繰り返しておきますと、必要な際にこの自筆遺言書は家庭裁判所に持参して「検認」を受けなければならないので、その前に周囲の人が勝手に開封してしまうと無効になってしまいます。       (本部事務局 岩崎昭生)


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