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再生の森

「西多摩再生の森」に新しい林道

  私たちの「西多摩再生の森」は、JR武蔵五日市駅からのアクセスが比較的便利なことから、今年6月末までに総計82回、139件の自然葬が実施されてきました。

 ここは東京都西多摩郡檜原村にあって、武蔵五日市の駅前を出たマイクロバスはいかにも昔から賑わった風情の街道を、多摩川支流の秋川の谷を右に左に見ながら走り、杉やヒノキが密生した山々の間に入っていきます。

 約45分走った後に、「笛吹(うずしき)入口」と記されたバス停から左に折れて、5分も行かないところに、新しい林道の入り口に作られた仮設の門があります。

  マイクロバスを運転してくださった浜中さんが鍵を開け、私たちの車はそのまま新しい林道に入って行きます。この林道は数年後には6キロ先で主要地方道の 33号線につながり、そこから中央高速自動車道の上野原インターまでは至近距離だと中村さんが説明してくださいましたが、そうなるとこの辺りの交通量も一 挙にふえるのかなと、かえって心配になります。

 中村さんは昔、この村の村長さんだったお父様とご一緒に、毎日森の手入れに精を出しておられます。私たちの再生の森は、その中村さんの森のごく一部を譲っていただいたものなのです。

 私たちは林道で車を降り、すぐ傍らの小道を取って斜面を登ります。10分も歩かないうちに、自然葬にまさにふさわしい、林の中ながらちょっと開けた感じの場所に出ました。                    

 この辺りはつい先日も自然葬を実施した場所だと中村さん。

 その時はさっき車が入ってきた仮設の門の向こう側から右に迂回して森の道を歩き、ざっと25分ぐらい歩いてから自然葬を実施したそうです。

 杉やヒノキの大きな大きな、奥深い森に囲まれ、新しい林道のおかげで以前よりすっかり便利になった「西多摩再生の森」は、今後ともきっと多くの皆さまのお役に立つことと思います。                     

 


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滝原再生の森」が誕生

  日本列島で12番目、三重県に

 4 月24日、三重県度会郡大台町にある「再生の森」の候補地を見学した。一行は安田会長および関西支部会員2名(土地提供者と支部世話人)、東海支部会員2 名(支部長夫妻)の計5名。近鉄・JR紀勢本線松阪駅前で待ち合わせて、南紀特急バスに乗車、57分で大宮町停留所に到着した。ここから徒歩、すぐ大内山 川の橋を渡ると大台町に入る。

 JR滝原駅の手前を右折し、小さな橋「柳谷橋」を渡り、しばらく行くと何の標識もないが、候補地の入り口に着く。ここまで徒歩で約10分その間、初めのうちはまばらに民家があったが、後半はまったくない。

入 り口から山林に入ると右手は杉の植林、左は雑木林の崖っぷち。目的地までは竹ヤブ、頭を出したタケノコを見ながら、一本一本太い立派な孟宗竹をよけて歩き 続け、「このあたり」という所に到着した。昔、棚田があった所が放置されて、孟宗竹がどんどん侵食して竹ヤブになった地形のようだ。大内山川の川原から立ち上がった崖っぷちに山桜が2本、5メートルくらいの間をおいて立っていた。周囲の竹と雑木(ヤブツバキ、チャノキ、ヤブニッケイ、桜に絡んだヤマフジなど)を整理すれば、この桜の木を散骨の碑にすることができるだろうと思われた。川原まで下りていけば、川に散骨も可能ではなかろうか。

見学を終えて、バス停そばの民宿「かつみ食堂旅館」で昼食をとる。何かの時にはここに泊まることもできる。ここの女将さんはとても人の良い親切な方で、私たちのバスの待ち時間を有効に利用するため、熊野古道を車で滝原宮まで送ってくださった。

滝 原宮(たきはらのみや)は、広大な社域に樹齢数百年の杉、檜の老樹が鬱蒼と茂り、長い参道を抜けると、白い玉砂利が敷き詰められた奥に神明造りの滝原宮と 滝原並宮の社殿が立ち並んでいる。両宮とも天照大神を祀り、ともに伊勢神宮(内宮)の別宮で「元伊勢」と呼ばれている。再生の森とセットにしてお参りしようと思う。

 

滝原宮前から帰途についたバスの中で、提供者に感謝しながらいろいろと考えた。

○     現地は人の手が加えられていないという意味では自然が保護されているが、本当の意味での自然回復をして再生の森にするにはどうすればよいか。

○     地域的には三重県に属するので、東海支部が本部と調整のうえ、管理運営に当たらなければならないだろう。さてどうするか。

○     人里離れているので、一般に広く知られてトラブルが起こることも少ないだろう。

○     「滝原再生の森」までの交通の便は、JR滝原駅(特急通過、一日9往復)も利用でき

るし、バスも一日4往復は名古屋直通(2時間03分)で、過疎の地としては大変便利である。

○     伊勢・志摩と熊野・新宮の有名観光地の間に挟まれているが、周辺には観光客はあまり来ないだろう。にもかかわらず、滝原宮などついでに立ち寄ってみる価値がある。

              (東海支部長 末兼幹夫)


会が運営する『再生の森』

会が運営する『再生の森』は全国に9ヶ所あります。北 から『ニセコ』『久慈』『大森山』『西多摩』『上総亀山』『甲府』『中伊豆』『阿蘇外輪山』です。このうち会の所有するのは『ニセコ』『西多摩』『中伊豆』で、それ以外は会員あるいは会の趣旨に賛同する方が提供してくださったものです。どの森も四季それぞれに豊かな自然に彩られます。大自然に 還る『再生の森』の姿を紹介しましょう。

■ニセコ再生の森(休止)

  蝦夷富士と 呼ばれる羊蹄山に連なるニセコ連峰はスキー、温泉など観光のメッカ。その周りに広がる丘の一角に『ニセコ再生の森』があります。日当たりも良く、春はっこでは、カタクリなどのかわいい花々が私たちを迎えてくれます。ここでは、北海道支部の立ち会いもとにこれまで30回37件の自然葬が行われましたが2005年夏、地元住民から自然葬中止を求める声があがり、町議会もこの陳情を採択。町長からわが会への中止要請となりました。
以後、会としては、あくまで自然葬の実施について地元の理解を得ようと、町当局などと話し合いを継続しておりますが、残念ながら、納得が得られないうちは、実施を見合わせざるをえない状態が続いております。ともあれ、すでに実施した遺族が現地を再訪することもあり、山のササ刈りなど、維持、管理はきちんと行い、いずれ、地元の理解が得られる日を待ちたいと思っています。

(塩崎義郎)

■久慈再生の森

 岩手県のJR久慈駅から車で走ること25分。途中、日本で唯一、海の見える「滝ダム」や新山温泉「べっぴんの湯」を通ります。広い空き地に車を停める と、そこはもう『久慈再生の森』。18町歩にも及ぶ広い広い里山です。30年近く前、地主の大林さんが禿げ山だったこの山を購入し、手ずから樹を植えて育 てた森です。今ではクヌギ、ナラ、ヤマボウシなど、多様な木々が見事に成長し、豊かな里山になりました。

  車を停めた所から落ち葉の積もる広い道をゆっくり10分ほど登ると、ちょっとした広場に出ます。この場所で2回の自然葬が行われています。JR盛岡駅から 久慈までは車で2時間半。交通の便は決して良いとは言えません。ですが、良くないからこそ逆に、ゆったりとした時間が流れ、悠久の、厳しくも優しい里山で あり続けるのだと思われます。

(阿部みちよ)

■大森山再生の森

 JR仙台駅から車で約40分で大森山に着きます。山というより、緩やかな丘陵といった趣のある場所です。仙台の市街地から近いこともあって開発が進んでいますが、ここはまだまだ静かで自然豊かな里山です。

  梅、ビワ、栗、竹、桜など、さまざまな木が育っています。鳥もたくさん棲んでいます。竹林では毎年タケノコがいっぱい採れたのですが、2年前の春にはほと んどイノシシに食べられてしまいました。さほど遠くない所での大規模宅地開発に追われたイノシシが現れたようです。、昨年には畑を荒らすため大量に駆除さ れたと聞きました。

 こ こは1993年に日本で初めて山での自然葬が行われた場所です。持ち主の方がここで自然葬をすることを決めていて、会員の方もどうぞと提供していただいて いる山です。以来6回、8人の自然葬が行われました。大森山は自然葬の発祥の地。だからこそ、ここに生きる動物や植物たちにとって、残された貴重な自然に なっていくのかもしれません。

(阿部みちよ)

■西多摩再生の森
 東京都の西はずれ、山梨県と隣り合う西多摩郡檜原村は、三宅島や神津島などを別にすれば都内にただ一つだけある村である。杉やヒノキの木々に囲まれた奥 深い山里はまさに”秘境”の名にふさわしい。JR五日市線の終点・武蔵五日市駅から約1時間。奥多摩山塊から流れ出す秋川に沿って奥多摩周遊道路を数馬へ と車を走らせる。

  『再生の森』へは徒歩で20分ほどの登り道だ。ここに1997年、村長だった中村正巳さん(現在は会顧問)から杉山の一部を会が譲り受けて『西多摩再生の 森』が発足した。首都圏から交通の便がよいこともあって、これまで50回を超える自然葬が行われた。この数字は全国9ヶ所の再生の森で一番多い。『聖山高 原』『ニセコ』がこれに続く。

  かつては林業と養蚕が地域を支えていた檜原村には、合掌造りに似た兜造りと呼ばれる古い民家が点在する。「九頭竜の滝」、「龍神の滝」など大小50にもな るという滝があり、「都民の森」は都会人のレクリエーションと憩いの場だ。自然の恵みあふれる『西多摩再生の森』は会の最も大きい財産の一つでもある。

 (西俣総平)

■上総亀山再生の森
 
『上 総亀山再生の森』は房総半島の“へそ”の位置にある。「吾も見つ人にも告げん」と万葉集にも歌われている桃源郷であり、新緑や紅葉のころには息をのむよう な自然の景観が繰り広げられる。アクセスは東京駅八重洲口前あるいは千葉駅前から日東鴨川交通高速バスの安房鴨川行きに乗って笹バス停で下車。時間はかか るが、JR木更津駅で久留里線に乗り換えて終点の上総亀山駅で下車する方法もある。どちらにしろ世話人の磐田さんが車で迎えに来てくれるので心配はない。

  近くには亀山湖があり、小櫃川から流れ込む清らかな水には魚影が濃く、25を超える橋が架かっている湖岸風景を存分に楽しめる。車で国道から横道に曲がっ て15分で東大演習林の入り口に着く。ここが『亀山再生の森』である。広葉樹の鮮やかな色が、遺灰を自然にお還しする、天国への門口となって輝いているか のように見える。 

(橋本保子)

■甲府再生の森
 山梨県、そこでは秀峰・富士山とその裾野を囲む富士五湖の四季が色とりどりに造型する景観に誰しもが感嘆の声を漏らします。御坂峠を越えて甲府盆地への 道をたどると、奥秩父の主峰・金峰山を源とする清流がつくる渓谷に沿って、奇岩や珍石が目を奪う深山幽谷の「御岳・昇仙峡」に至ります 滝壺からあふれた 清流を運ぶ荒川に沿って昇仙峡ラインの道を桜橋から折れ、棚田に続く急勾配の坂道を上がり、甲斐の山並みがいっぺんに開けるあたり。赤松林に囲まれ、東南 の斜面に日だまりを集めて、『甲府再生の森』が広がります。

  葬送の自由をすすめる会が運営する『再生の森』としては一番新しく、昨年暮れに9番目の森としてスタートしました。四季折々の趣にあふれるこの里山は『再 生の森』と呼ぶにふさわしく、早春の芽生え、初夏の新緑、秋の紅葉、冬の雪景色と、自然の醸し出す豊かな色彩は訪れる人々に心を和ませてくれる魅力を備え ています。 (高橋 行)

■中伊豆再生の森 (休止)
伊豆急行の修善寺駅から歴史や文学で知られた修善寺温泉を経て「虹の郷」方向に車で走ること約20分。伊豆高原の一角に切り開かれた丘陵地「藤が平」に 着く。門を入り、しばらく歩くと見晴台に出る。そこからは天気が良ければ富士山がくっきりと空に浮かび、美しい風景である。

 広葉樹のこずえをくぐりながら高いススキに隠れた階段を下りていくと、水の流れが ある。橋のたもとの草むらが『中伊豆再生の森』だ。時々、山キジがあやしく鳴いてはまた静けさが戻る。まさに「自然への入口」にぴったりのたたずまいである。そして今にも,頼家と桂姫が手に手をとって森から現れてくるような気配がする。

 四季を彩る草木が『再生の森』を鮮やかに変化させる。天空が頭上に広がり“再生”を見守っている。この美しい自然に祝福され、恒久の循環に再帰できる輪廻がこの場所で行われるのは至福の極みである。 

(板橋寛二)

■阿蘇外輪山再生の森
 
九 州の『再生の森』がある阿蘇は、九州のほぼ中央部に位置するので九州各県から比較的訪れやすい。阿蘇北外輪山で自然葬が初めて行われたのは2000年の4 月22日である。2001年の自然葬が実施されたのもやはり4月も半ばを過ぎてからである。南国といっても阿蘇の冬の自然は厳しい。
(橋本保子)

 外輪山のなだらかな外斜面に『再生の森』はあるのだが、東方に長い美しい稜線を見せる久住連山を遠望できるそこでも海抜は約800メートル余りあるだろうか。厳冬期には積雪が見られる。だから4月から11月までが実施に適する期間である。

 2000 年4月に桜の木を植えたが、自然葬はすくすくと育っているこの木を囲んで行う。ひっそりとしめやかな、しかし味わいのある自然葬、故人が好きだった曲を CDで流しながらの賑やかで、しかも心のこもった自然葬、そぼ降る雨の中での遺族の深い思いをこめた自然葬、詩の朗読も行われた自然葬。形はさまざまであ る。故人に対する万感の思いをこめて会員遺族が自由な形で遺骨を自然に還した。  

(田口宏昭)


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