(update_20080424_KItahasi_revd)

自然葬に関するQ&A 

Q
死んでから自然葬実施までの手順や簡素な葬儀のやり方などを教えてください。

A
会員になると自動的に自然葬が実施できるわけではありません。また遺体処理や葬儀、遺骨の保管などすべて会に委託できると思っている方がいるようですが、自然葬実施までの基本的な流れは次のようになっています。

  (1)死後の届出や申請、火葬について

 まず、死後7日以内に死亡地の市役所や役場に死亡診断書(事故死などの場合は死体検案書)を添えて死亡届を出します。同時に火葬許可の申請書も提出し、許可証をもらいます。火(埋)葬許可証を持って火葬場に遺体を運びます。火葬が済むと火葬場では火葬許可証書に必要事項を記入、押印して返してくれますが、たいてい骨壷の中に入れてくれるようです。遺骨を持ち帰って自然葬にするまで自宅などで保管しておきます。

 (2)葬儀について

 人が死ぬと一般的に通夜、葬式、告別式、火葬、納骨などが行われますが、上に述べた行政上の手続き(葬儀屋に委託することもできる)以外、故人を悼む方法や儀式は本来自由です。各人の死生観や宗教観、価値観などを基に独自に実行すればいいのです。自然葬に先立つ葬儀を業者に委託する場合は、費用や葬儀プランをあらかじめ葬儀屋にしっかり話し、望み通りの葬儀ができるよう頼んでください。そうしたことが自分ではどうしたらよいかわからないという方がおられるようですので、今後は簡素な葬儀の実例や独創的な葬儀プランを紹介したり、その力になってもらえるような誠実な業者を誌上でも紹介していきたいと思っています。

 (3)遺骨の粉末化について

 他人に不快感や嫌悪感を与えないよう、また、なるべく早く自然に還るように、自然葬にする際には遺骨を粉末化(米粒大以下)してまきます。当会では遺族の手で粉末にすることをすすめています。方法は、飛び散らないように遺骨を布の袋などに入れ、石などの硬いものの上で故人ゆかりの文鎮やゴルフクラブ、バット、ピッケル、金槌などでたたきます。骨を砕くことに抵抗感のあった人でも粉末化した後ではたいていの方が 、故人とゆっくり話ができた、しみじみと思い出にひたれたなど、遺族の手でやってよかったと感想を言われます。どうしても粉末にできないという方は業者に頼むことになります。
 
遺骨の粉末化については下段でも説明しますが別ページもあります。

 

(4)自然葬の契約について

■本人契約を結ぶ場合(生前契約) 
 
まず本人用自然葬申込書を事務局に請求します。申込書が届いたら実施希望場所などを記入して返送してください。事務局に申込書が届くと、会の自然葬実施機関である日本自然葬協会の担当者が申込人と相談しながら、申し込み希望に沿って、場所、方法(個人葬か特別合同葬かなど)、実施時期、連絡責任者を記載した契約書案を二部作成し、郵送します。契約書案に問題がない場合、申込人は署名捺印をして事務局に返送し、予納金、書類作成費用2千円の合計額を振り込みます。事務局では入金確認後、返送された契約書に捺印して一部を申込人に郵送します。これで契約は成立です。

■本人が死亡した場合
 契約書に基づいて連絡責任者は事務局に死亡を連絡します。事務局の担当者は連絡責任者と日取りなどを相談して自然葬を実施し、「自然葬実施証明書」を手渡します。後日、実費精算して予納金残額を清算責任者に返金します。

■独り暮らしで身寄りがなく
 友人知己にも死後の面倒をかけられない、かけたくないという方が本人契約を結ぶ場合の連絡責任者は行政機関(死亡地の区市町村長)となります。

 会では死亡後の連絡がないことには自然葬を実施することができませんので、当会の会員証に自然葬契約済みと記入して身につけておくとか、遺言状などとともに契約書をなるべく人目に付くような場所に保管しておくことが大切です。

■本人契約を結んでいない場合(遺族契約)
 遺族の一人が会員になり、故人の意志を尊重しながら本人契約と同様の手順で遺族用契約書を作ります。自然葬実施、清算などは本人契約と同じです。遺族用申し込みの場合は故人の戸籍(除籍)謄本と火葬許可証(どちらもコピー可)が必要です。遺骨何体かを同時に自然葬にしたい場合は、二人目からの費用が少なくて済みますのでご相談ください。

 (5)お墓に納めた遺骨の自然葬について 

 既にお墓に納めてしまった遺骨も自然葬にすることができます。自然葬に付すことは墓埋法でいう「改葬」(遺骨を墓地から他の墓地に移す)には当たりませんから、行政上の届出や「改葬許可」など、一切必要ありません。霊園やお寺には遺骨を自宅に引き取りたいと申し出ればよいのです。お寺などではこれを拒否することはできません。遺骨を預けてから5年以内であれば、遺骨と一緒に火葬許可証も返してくれるはずです。

遺骨の粉末化について

(1)家族の手で砕く

 遺骨を自然葬にするには、まず遺骨を細かい粉末にする必要があります。実際に遺族の方々は故人の遺骨をどのようにして砕いているのでしょうか。そのノウハウは遺族の感想文から読みとることができます。『再生』の既刊号から抜粋してみました。

 「骨壺のお骨を取り出して骨洗いをいたしました。洗濯用の目の詰まったネットの中に入れ、バスタオルに包み、家族みんなで金槌を持ち寄り、代わるがわるたたきました。母の骨は80歳を超えていたせいか、思ったより簡単に20分くらいで米粒大に砕かれてしまいました。最初、想像していた段階では、骨壺の蓋を取るのも、お骨を金槌でたたくのも何か空恐ろしく、自分自身が鬼女のごとくに思えてゾッとしたものでした。ところが、実際は家族が寄り合って笑いのうちに和やかにお骨を砕き終えることができたのは、まったく思いがけないことでした」

 「姉妹と友人数名で遺骨を粉末にした。乳鉢で骨を砕き、篩(ふるい))にかけながら、この手で介護し看取ることなく逝かせたうずきは、砕く骨から伝わってきた」

 「骨を砕かなければならないということが、マナーとして必須だと理解していながら、いざ、その作業をするとなると、やはり複雑な思いが家族の胸を埋めました。親父の最後の仕事がゴルフ場だったので、愛用のゴルフクラブで骨を砕いたのですが、姉などは最後までできずじまいでした」

 「ある朝の晴れた風のない日、さっそくベランダに新聞紙を二重に敷き、遺骨を覆う純白の布を重ね敷き、その上に骨壺より取り出した遺骨を布の四方の端を持って覆い結ぶ。小さなハンマーで心をこめ、打ち砕き始めました。周辺部から中心へ繰り返しました」

(2)専門家に頼む

 遺族が自分たちの手で遺骨を粉末化するときには、故人が使っていた文鎮やゴルフのクラブでたたいたり、乳鉢とすりこ木で砕くというケースが多いようです。金槌やハンマーでたたいて砕く、瓶を転がすように押しつけて砕くという場合もあります。

 それでも、どうしても自分の手にかけられないという人もいます。そんな場合は専門家に依頼するとよいでしょう。

 葬送の自由をすすめる会の会員のために遺骨の粉末化を引き受けてくれるのは、会の友好団体である葬儀ネット”木霊と凪(こだまとなぎ)東京都豊島区東池袋1-47-1、電話03-3983-9079=です。代表の吉沢武虎さんは会の元理事でもあります。

 吉沢さんが粉末化に使うのは理化学実験用のスタンプミルという高さ1メートルほどの試料粉砕装置。どんぶりぐらいの大きさの受け皿に遺骨を小分けして入れ、スチール製のピストンを自動的に上下させて砕いていきます。遺骨は約3分で粉々になり、この作業を繰り返して1時間ほどで骨壺の遺骨がきれいな白い粉末になります。

 「米国のカリフォルニア州では散灰するには5ミリ以下に砕かなければならないという規制がありますが、この装置だと0.1ミリから1ミリぐらいまで細かく砕けます」と吉沢さん。ただし、遺骨全部を粉末化する時間は量と重さによって違います。一般に骨壺に納められた遺骨は東日本では正味1キロはあるのに比べて、関西地方では火葬場での収骨の習慣が異なるせいか500グラム以下だそうです。

 『木霊と凪』では希望者には骨壺を持参するか宅配便で送ってもらい、遺灰にしたものを水溶性の紙に包んで送り返しています。費用は1回1万円。それに水溶性紙1000円と骨壺の産業廃棄物処理費1000円がプラスされます。これまで50柱以上の遺骨を処理したそうですが、粉末化を希望する方は吉沢さんに電話で問い合わせてください。

 遺骨の粉末化については、別にページを設けて、経験者の体験談も報告しています。

自然葬の普及につれて、最近「会員にならなくても誰でもどこにでも散骨できるんでしょう」という声が聞かれます。ここでぜひ会員になっていただきたい理由をあげてみます。

■ 節度を持ってすれば違法ではありませんが、社会的合意を得つつある過渡期で「節度」をどう判断するかかが会と相談しながら実施していただきたい理由です。

■ 独自の判断で安易な実行をすると、今までのまじめで慎重な歩みが無駄になります。

■自然葬の場所(特に山の場合は所有者の許可がいる)や手段の確保(船の調達など)が個人では難しい場合が多いのです。

■個人で自然葬をこっそりやることは、「葬送の自由」の社会的合意の広がりにはつながりません。

■基本的人権としての「葬送の自由」を啓発し、葬送の商業化や、まぎらわしい「自然葬」をチェックするために、機関としても、また、法規制の動きに反対するためにも全国的な市民運動団体としての当会が必要であります。

 
一人でも多くの人がこの会の主旨を理解し、会員として運動を支えてくだされば幸いです。

Q
自然葬契約実施にようする費用を教えてください

A
当会自然葬契約実施の費用は次のようになっています

■本人契約・遺族契約共通

予納金(実費精算)
書類作成費
その他
個人葬
基本額(1遺骨)※1)
6万9千円〜17万7千円
 
2千円
※1航空機使用の場合を除く
2〜3遺骨目各)
5万円(精算なし)
なし
4遺骨目から無料
合同葬

(5〜6人)

基本額(1遺骨)
6万4千円〜11万円  
2千円
 
2〜3遺骨目各)
3万円(精算なし)
なし
同上
特別合同葬

約15組)

基本額(1遺骨)観音崎
4万8千円〜6万円
2千円
※2)6万円は観音崎
2〜3遺骨目各)
2万円(精算なし)
なし
同上
特別個人葬
(山・船等 自己所有)
自然葬実施証明書代

5,000円のみ

   2千円
早めに相談して計画書を提出、実施後に報告書を提出    
キャンセルの場合
キャンセルの場合、
証明書代は無料
※3)
 

※1)航空機使用の場合を除く

※2)6万円は観音崎

※3)キャンセルの場合は、予納金の8割を返金します。

※4)予納金は実施後に実費精算します。

実施後の精算方法

個人葬、合同葬は予納金から以下の費用を差し引き、残金を返却します。

1.海、空の場合/船、航空機の使用料

山の場合/再生の森維持費(5万円)レンタカー代、運転手へのお礼など

2.通信連絡費(2,000円)

3.自然葬実施証明書(5,000円)

4.自然葬立会人の手当て(1人につき1日8,000円)及び旅費など

5.手数料27,000円

注、 特別合同葬の場所は観音崎 。日時を決め、会が募集しマスコミに公開します。

■会所有、借受の「再生の森」一覧
1.東京西多摩山系
2.北海道ニセコの森
3.宮城県大森山
4.信州聖山高原
5.岩手県久慈市郊外
6.阿蘇外輪山
7.上総亀山
8.甲府
9.中伊豆

※北海道大雪山、志賀高原、新潟県角田山,菅平高原,北海道ニセコの森、物部川上流,信州聖山高原,中伊豆は現在一時中止しております。

 


自然葬の申し込みについての追記

自然葬をしたいけれど、申し込み方法、手順などがよく分からないという質問を電話などでよくいただきます。上記と繰り返しになりますがQ&A方式でお答えいたします

Q 会員になっただけでは自然葬は行えないのですか。

 はい、その通りです。自然葬を希望する人は会に申し込みをして予め契約をします。契約方法は以下の手順です。
・ 本人用と遺族用の二種類の申し込み用紙がありますから、会の事務局に希望の用紙を請求してください。
・ 申し込み用紙に必要事項を記入し、送付してください。記入のことで分からないことがあれば、自然葬担当者に電話等でお問い合わせください。
・ 申し込み用紙に書かれた、ご希望に添って契約書を作成して送付します。間違いがなければ押印して会へ返送して下さい。
同時に与納金のご案内も致しますので予めご入金ください。
・ ご入金の確認が取れましたら、会の押印をして受領書と共に契約書をお送りします。

Q 1人暮らしで連絡責任者がいませんがどうすればよいですか。

 その場合の連絡責任者は行政機関(死亡地の区市町村長)になります。会では死亡の連絡がないと自然葬は実施できませんから、会員証に本人用自然葬契約済みと書いて身に付けておくとか、契約書を目につき易いところに張っておくなどしてください。
行政機関以外では責任を持って連絡してくれるのなら、友人も可能ですし、代行をしてくれる会社に依頼することも出来ます。

Q 遺族ですが自然葬を希望していた本人が亡くなりました。どうすれば良いですか。

 本人契約をしていたら、亡くなったことを会に連絡して下さい。契約書に基づいて遺族と実施時期を相談して準備を進めます。まだ本人契約をしていなかった場合は、遺族が会員になり、遺族用自然葬申込み用紙を請求してください。
契約までは前に記した手順です。
実施するまでは、会の方で場所の案内、舟の手配、当日までの準備などすべてご案内しますので心配なさることはありません。当日は自然葬立会人として、会員が同行してお手伝いをします。


(822020529_gm)

自然葬なんでも相談

2002年度会員総会に先立って開かれた「自然葬なんでも相談」には約280人の出席がありまた。内訳は会員と非会員がほぼ半分ずつ。一般の参加者からの質問も活発でした。基本的な質問も多かったのですが、会員からの質問票による事前の質問とあわせて2回に分けて『再生』に掲載します。

■自然葬の場所と「再生の森」

 「再生の森」の場所を教えてもらって自由に見学できるでしょうか? 自分が将来、自然葬をされる場所をあらかじめ自分の目で見ておきたいのです。

 申し訳ありませんが、再生の森は原則的に非公開としています。地元の人が全員、自然葬に積極的に賛成しているとは限らないためです。公開したら好奇心から面白半分で見物に来る人もいるかも知れません。その場所で自然葬をした遺族の感情も考慮する必要があります。公開した場合のマイナスの方が大きいのが現状です。

 ただし、会では「再生の森をたずねるこころの旅」や「再生の森を整備するボランティア募集」などを随時行いますので、これらの企画を利用して見学してください。

 自然葬の生前契約を結びましたが、自然葬とは一体どんなものか、実地に体験したいと思っています。どんな方法があるでしょうか?

 自然葬は遺族にとってプライベートなものです。このため、自然葬に参加するには遺族の了承が必要です。これまでに遺族の了承を得て立ち会ってもらったこともあります。また、年4回行う相模灘の特別合同葬は原則として公開ですので、乗船定員が許せば乗ってもらえます

 「再生の森」以外の場所、具体的には富士山麓での自然葬を希望しています。

 現在は富士山麓に「再生の森」はありません。このため周辺の国有林ということになります。国有林を自然葬に開放するよう会は林野庁と交渉していますが、国有林は一般に広く利用されるものであり、特定人の散骨場所としてなじまないとの理由で開放されていません。従って、現状では富士山麓周辺では自然葬はできませんが、自然葬の社会的合意をさらに進めた上で国有林開放を実現するよう努力していきます。

 どこの山でも自由に散骨できるのでしょうか?

 まず国有地に遺灰をまくことはできません。国有地は国民全体のもので、特定人のために使用するのは好ましくないという、国有林と同じ理屈で散骨に使うことは認められていません。国有地以外の山には必ず持ち主がいるので、了解を得るのが容易ではなく、会が所有する、あるいは会員の提供する「再生の森」で散骨するのが一般的です。

最近では北海道の大雪山に大学生の遺灰をまいたケースがありますが、これは故人が生前に地元に縁が深かったことから、地元自治体にお願いして公有林での自然葬が実現しました。このように山の持ち主の了解を得ることが大前提です。

 海での自然葬は全国どの海域でもできますか?

 海での場合、できるだけ船の確保に努力してご希望に添うようにしており、北海道から沖縄の海まで自然葬を行っています。ただし、初めての所で行いたいという場合、船を確保するのに少し時間がかかります。海の場合は船の交通量が多い所、漁場、養魚場、波打ち際などを避けるほか、焼骨を粉末化するなど注意を払っています。

 空からの散骨は海上だけでしょうか?

 陸上で空中に遺灰をまくと他人の土地の上や洗濯物などに落ちる可能性があります。海上ならば、漁業者に迷惑がかからないよう、パイロットと相談してまくことができます。相模灘や九十九里沖の上空で散骨しています。たとえば犬吠埼の場合、セスナのチャーター料金は17万円ですが、ヘリは29万円とやや高くなります。

 自宅の庭で自然葬をしてもかまいませんか?

 散骨は墓地埋葬法にいうところの埋葬ではないので、自宅の庭で自然葬をしても法律に触れるわけではありません。しかし、自然葬への社会的合意を広げつつある現在としては、近隣の人の了解を得るぐらいの配慮は必要でしょう。

 海の自然葬を希望していますが、一般の客船から散骨するには船長の許可があればいいのでしょうか?

 客船から散骨をする場合、他の船客に迷惑がかからないよう節度をもってやることが大切です。できれば船長に話をしておく配慮が望ましいが、許可が必要というわけではありません

■お寺との関係

 両親の墓、兄の墓、分家した自分の墓と、お寺に墓が3つあります。自分が死んだら無縁になるので、遺骨を墓から出して散骨し、お寺との縁を切りたいと思います。お寺に了解してもらうにはどうすればいいでしょうか。

 墓の中の遺骨を出すには寺や霊園の了解を得なければなりません。寺に理解がない場合、散骨は違法だとか、遺骨を墓から出すには改葬許可証がいるとか言うことがあります。寺からすれば檀家が1軒減ることになるので、とかく拒否反応がありがちです。

 しかし、自然葬は墓地埋葬法の埋葬や改葬に当たらないので、墓から遺骨を出して自然葬をするのに許可証は一切いりません。その点をよく説明して、寺を説得する必要があります。それでも納得しない場合にどうするかですが、私(岡田弘隆住職・弁護士)から寺に手紙を出して了解してもらったケースもあります。

 お寺から遺骨を引き上げた場合、墓石はどうすればよいでしょうか。

 墓石は今、墓の面倒をみている人にすべての権利があります。自分の物ですから、残った墓は片づけなければなりません。その場合、墓石業者に頼んで片づけます。その際に供養をすることもあります。必要な手続きを最小限度踏みながら、自分の責任で片づけます。

 お墓から取り出した遺骨の処理は?

 古い遺骨はたいてい骨壺の中で水浸しになっています。茶色の骨が水につかっている感じになっているので、天日にさらすなりして乾かしてから粉末にします。土葬の遺骨が残っていたら、火葬場で焼いてもらってから粉末化します。

 転居に伴って主人の遺骨をお墓から出して転居先へ持って行きました。仏壇の中に先祖の位牌がありますが、罰の当たらない位牌、仏壇の処理法を教えてください。

 自分の後継ぎがいない人にとって、自分が亡くなった後の仏壇や位牌をどうするかの問題があります。先祖代々の古い位牌を一つにまとめて、“おたきあげ法要”で燃やす寺もあります。仏壇は仏壇業者に解体してもらい、業者がまとめてする“おたきあげ”で処理してもらいます。業者に相談するのも1つの方法です。また、自分の責任で燃やしてしまってもまったくかまいません。

 散骨をするならば戒名はいらないように思いますが、戒名は付けてもらった方がいいのでしょうか。

 これはまったく個人の好みの問題です。戒名が欲しい人は付けてもらえばいいし、必要ない人はつけなければよいだけです。お好きなようになさって結構です。

 自然葬をしてしまうと墓がないので、お寺の檀家にはなれないと思いますが、どうでしょうか。法事や年忌を寺でやりたいと私は考えているのですが。

 散骨をしたら、あるいは墓がないから寺の檀家になれないということはありません。墓のない檀家はいくつも例があります。法事や年忌は、それをしてもらうかどうか故人の遺志だけでなく、後に残された遺族の考えも考慮に入れる必要があるでしょう。結論としてそれぞれの個人の希望に沿って決めるのがよいと思います。

 遺骨の粉末化をやってもらうことはできますか。

 葬送の意味を取り戻すために、故人の思い出をかみしめながら、家族の皆で粉にするのが理想です。7割の人が自分の手で遺骨を砕いています。どうしてもできないという場合には、葬儀ネットの『木霊と凪』(東京都豊島区東池袋1-47-1、電話03-3983-9079)に頼むとよいでしょう。『木霊と凪』では骨壺1つにつき1万円、骨壺の廃棄物処理費1,000円、水溶性紙代1,000円で粉末にしてくれます。

 自然葬をするまで遺骨を預かってくれる施設はありませんか。

 葬儀ネットに依頼すれば預かってくれます。ただし、保管料は必要です。

  

■遺族との関係

 私たち夫婦の子供は1人息子だけです。会に入っていることは話しましたが、息子夫婦は親が死んでもいっさい知らぬ存ぜぬと言い、息子たちに頼めず困っています。このままでは墓に埋葬されてしまうのではないかと心配です。子供を当てにせず、自分たちの自然葬をするにはどうすればいいでしょうか。

 死後に自分の希望が貫けるかどうか、皆さんが一番悩んでいる問題です。会としては亡くなった故人の思いをどう実現するか、契約面も含めていろいろ苦心しています。そのためには生前に会と自然葬の委託契約をしていただき、死後に遺志を実現するために会が自然葬を責任を持って行うというのが基本的な考え方です。

 確実な方法としては、第1に遺骨の処分について会に任せるという趣旨の遺言書を書いておく、第2にご自分の死後に会との間に連絡をしっかりとってくれる人を決めておくことです。連絡する人は親族でなくても、友人でも知人でも構いません。

 自分が死んだことを会に連絡してくれる人、あるいは合同葬まで遺骨を預かってくれるはずの人が先に亡くなってしまった場合は?

 会と自然葬契約をする場合、連絡責任者を指定していただき、その人が会と自然葬実施までの連絡を取り合うことになっています。亡くなった方に身寄りがない場合は、連絡責任者に実施日まで遺骨を保管してもらうことになります。
この連絡責任者が先に亡くなられた場合とか、その方との人間関係がうまく行かなくなったとか事情が変わってきた時は、変更契約書を作成して連絡責任者を変更すればよいわけです。その他の変更についても変更契約書をつくる形になっています。

 今のようなケースの中で出てくるのは、連絡責任者が先に逝ってしまい、同時に自分も痴呆になってしまって、とても変更契約などできないという場合です。そうした場合に備えて1番目、2番目と優先順位をつけて複数の方に連絡責任者になってもらうのもひとつの案でしょう

 夫婦2人だけですが、どちらが先になくなっても遺骨は保管しておいて、最後に2人の遺骨を一緒に散骨したいのですが?

 ご夫妻で一緒にという申し込みがありましたら、先に説明した基本的な考え方にのっとって、そのような契約書を作成します。

 まったくの独り暮らしです。会と自然葬契約を結んでも死後に確実に実行されるかどうか不安です。

 独り暮らしの方の場合、まず遺体の扱いやお葬式をどのようにされるかがあります。自治体の福祉事務所にすべて任せるということならば、火葬までやってくれます。今はほとんどの方は病院で亡くなりますから、行政にしてもらう場合には病院から行政へ知らせてもらう手続きをとっておくのもひとつの方法です。市町村で火葬にされた遺灰は役所から会に自然葬当日までに届けてもらいます。遠方の場合は、宅配便で送ってもらうこともできます。

 行政に世話になるのはいやだとおっしゃる方は、あらかじめ葬儀社と契約を結んでおかなければなりません。会と協力関係にある葬儀ネットに頼む場合も、遺体の搬送や火葬、葬儀などについてはっきりした見積もりをとっておくようおすすめします。

■遺言その他

 「葬儀ネット」とはどのようなものか、その活動状況を教えてください。

 会員の皆さんから散骨だけでなく、お葬式のことも信用して相談できるところを紹介してほしいとの要望があったことが「葬儀ネット」のきっかけです。しかし、全国の葬儀業者の信用調査などできません。といって、ボランティアを中心とする市民運動としての会がお葬式まで手を広げるのは無理があり、そこまでやると運動が商業化する恐れもあります。

 ある団体がNPOを名乗っていますが、死亡した場合の処理だけで50万円請求するとか、独り暮らしで亡くなった方のマンションの部屋の片づけだけで何10万円も取る仕組みになっています。非営利団体を看板に、中身は金もうけということになりかねません。

 今の「葬儀ネット」は、会との協力関係を前提に、創立以来の会員である吉沢武虎さんが業者と話し合った上でつくられたものです。ネットには現在全国で10数社が入っており、ご要望があれば会が紹介をするというのがこれまでの経緯です。

(吉沢さんの補足説明)ここ1、2年で多数の会員に登録していただき、実績も確実に積んできました。具体的には葬儀ノートというものがあり、それにご自身で考えていらっしゃる葬儀のプランを記入して登録してもらうシステムになっています。

 家や土地、家財の後始末をどうしたらよいか迷っています。会の考え方を聞かせてください。

 財産処分などの後始末をどうするかは、自分の希望があれば遺言書に書いておくことが基本です。遺言には自筆で書く方法と公正証書にする方法があります。遺言の中身については弁護士に相談して作成するのが間違いがなかろうと思います。

 参考までに最近、子供がなくて身よりは兄弟だけという人が遺言を書いたのですが、兄弟だけには絶対に遺産をやりたくないと言う。じゃあ、誰にというと、これがはっきりしない。そういう人が結構いるんです。しかし、そういう内容の遺言は実行できません。このケースでは親しい友人2人にあげて、世話になった人たちにこの2人から配るという内容になりました。遺言は執行者が必要ですからきちんと決めておくことが大切です。とにかく自分が死んだということを遺言執行者に伝わるようにしておかないと意味がありません。(完)

自然葬のトップページへ