(200807014_MYasuda)
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葬送基本法の制定を急げ
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安田会長の論文が朝日新聞の「私の視点」欄に
安田会長の「葬送基本法の制定を急げ」という論文が、2008年7月10日付朝日新聞朝刊「私の視点」ワイド版に掲載されました。以下に再録します。見出しは「葬送の自由・自然葬を公認する法律を」とわかりやすくしてあります。
いま日本では遺骨は主に2つの方法、1つは墓に入れる墓地葬、もう1つは自然に還えす自然葬で葬られています。ところが葬送の法律としては時代遅れの墓埋法しかない。自然に還すか、墓に入れるの選択を公正に保障し、葬送の自由を原則とする「葬送基本法」をつくる時がきた、というのが趣旨です。葬送の自由 自然葬を公認する法律を
NPO法人「葬送の自由をすすめる会」会長 安田睦彦
遺骨は今、日本では主に二つの方法で葬られている。一つは遺骨(焼骨)を墓地に入れる墓地葬であり、もう一つは散骨などの方法で海や山など自然にかえす自然葬だ。ところが、葬送の法律としては、墓地葬を想定した「墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)」しかない。墓埋法でいう「墓地」は、都道府県知事が許可した区域を指す。
私は、もはや実態にそぐわない時代遅れの墓埋法を改め、自然葬も選択肢に含めて葬送の自由を認める「葬送基本法」を早急に制定するよう提案したい。
自然葬が日本で広く認知されるようになったのは、私たちが「葬送の自由をすすめる会」を設立した91年、神奈川県沖の相模灘で、初の散骨による自然葬を行ってからだ。「日本では自然葬は違法とされ、『葬送の自由』という基本的権利を奪われてきたが、自然葬は現行法下でも可能」というのが私たちの主張。国も「自然葬は墓埋法の対象外」として追認してきた。
自然葬の広がりは最近、めざましい。発足時200人ほどだった私たちの会員は現在1万2千人、お手伝いした自然葬は外国人も含めて1300回余りを数え、計2300人を超えた。
無断で人の土地に散骨しないのは当然として、遺骨は粉末状にし、海なら十分沖合に出るなどの自主規制も、自然葬の広がりを支えている。私たちの会以外にも、散骨をビジネスとする業者や、墓様式の樹木葬、植樹葬に取り組む寺院、民間団体、一部の地方自治体、それに個人による自然葬など多彩だ。
年間死者数は全国で約110万人にのぼり、その1割が自然葬によるとの推定がある。最近の各種世論調査でも、3割ほどの人が自然葬を望み、8割前後が自然葬を是認している。
自然葬が広がる背景には、核家族化の進行や少子高齢化、環境問題などで「墓」を支えられない社会的現実がある。この変化に墓埋法はついていけない。
墓埋法の大きな問題は、遺体の埋葬・焼骨の埋蔵は墓地以外の区域では禁じている点だ。土葬、火葬などの遺体処理(一次葬)と焼骨の処理(二次葬)が区別されていない。公衆衛生上から一次葬の公的規制はわかるが、二次葬の公的規制は理解に苦しむ。焼骨はリン酸カルシウムで無害だ。墓に入れようと、家に置こうと、ペンダントに入れて胸に飾ろうと、海や山にまこうと、基本的には個人の自由に属することではないのか。
墓埋法の前身は1884(明治17)年にできた墓地及埋葬取締規則だ。自葬(神官、僧侶に依頼しない葬儀)を禁止していた明治政府は、信仰の自由を求める内外からの声に押されて解禁に追い込まれたが、引き換えに、墓地以外に遺体、遺骨(焼骨)を埋葬、埋蔵するのを禁じたのが同規則だった。
厚生労働省は「自然葬は墓埋法の対象外」としながらも、時折、“先祖返り”する。「まいた遺灰の上に土や木の葉が少しでもかぶされば、墓埋法の埋蔵に当たる」などと珍妙な解釈を流して世論を牽制したりする。自然葬を含む葬送の自由を積極的に公認する法律がないからだ。厚労省が、国民の多様化した価値観や宗教感情に背を向けて、墓一辺倒の墓埋法に固執するのはなぜか。墓園関係団体などへの天下りや、特定の宗教、業者の利益を守っているのではないかと勘ぐりたくもなる。
遺骨を自然にかえすか、墓に入れるかの選択を公正に保障し葬送の自由を原則とする「葬送基本法」をつくる時がきた。